マツダ「ロードスター」はライバル不在!? NB型が絶対に失敗できなかった訳とは
歴代モデルのなかでNBは「Best Handling car」
NBの開発に深く携わった、現在ND主査の任にある齋藤茂樹氏に聞いてみました。
「車種リーダーとして初めて企画段階から機能開発を担当したのがNBでした。機能目標達成に向けた実研計画の立案、進捗、報告をおこなうなかで、リーダーとして役割責任を学び、エンジニアとして一番成長させてもらった時代だったと思います。
また、貴島(孝雄)主査の軽量化への異常ともいえるこだわりを見て、志とは何かも学ばせて頂きました」
齋藤氏は当時を振り返りながら、NBを「成長」という言葉で表現しました。
3代目・4代目ロードスター主査の山本修弘氏は、次のように歴代ロードスターを振り返ります。
「2015年から2016年のND導入で世界中のたくさんのメディアやお客さまとお話をさせて頂きましたが、NAからNDまでの各モデルについてどう思うかという質問をよく頂きました。
そのとき、『NAはFun to Drive car、NBはBest Handling car、NCはBest Performance car、NDはBest Roadster』私にとっては、どのロードスターも大好きな相棒です」
※ ※ ※
傍から見れば、NA、NB、NC、NDという時系列での変化に思えるロードスターの進化ですが、それぞれの時代で、作り手は悩み、切磋琢磨し、そして夢に向かって一歩一歩前進してきました。
歴代主査の皆さんの4世代のロードスターそれぞれに対する気持ちを聞き、そして筆者自身が4世代ロードスターそれぞれを改めてじっくりと走らせたことで、「ロードスターとは何か?」「マツダがロードスターで追い求めてきたもの、そしてこれからも追い求めていくことは何か?」が少しだけ分かったような気がします。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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