日産販売店も困惑「新型エクストレイルはいつ発売?」 日本車なのに海外で先に発売する事情
国産メーカーが海外比率を高めた事情とは?
最近のクルマはどの車種でも、フルモデルチェンジをおこなうと衝突被害軽減ブレーキなどの安全装備と衝突安全性が向上します。
エクストレイル、レガシィ、アウトランダー、アコードのように、海外は新型、日本国内は旧型を販売する状況が続くことは、日本のユーザーには海外に比べて安全性の劣った商品を提供することになります。
海外のメーカーなら、日本の優先順位が下がって仕方ないともいえますが、日本のメーカーは違います。
どのメーカーも発足当時は国内販売が中心で、日本の顧客に育てられました。その後、1973年のオイルショックをきっかけに、低燃費で低価格、故障が少ない日本の小型車が注目され、海外比率が30%を超えました。
1980年代に入ると、海外の生産拠点も設けられ、日本メーカーの海外販売比率は50%前後に達します。
それでも50%前後の国内比率は守っていましたが、1990年代初頭にバブル経済が終わると状況が変わりました。
税制改訂で3ナンバー車の不利が撤廃されたこともあり、海外向けの3ナンバー車を国内へ流用するようになったのです。
ボディの拡大というよりも、国内で売るクルマが海外向けになり、日本のユーザーが離れて国内販売台数は急降下しました。
その結果、軽自動車が中心のダイハツやスズキを除く各メーカーは海外比率を高め、2000年には60%、2000年代中盤には70%、2010年頃には80%に達したのです。
国内の売れ行きは相対的に下がり、国内販売比率も20%以下まで急減。その結果、海外向けの車種が増えて、発売タイミングも日本向けは遅れるようになりました。
海外比率が急増したのは2000年以降ですが、そうなるまでの日本のメーカーを支えていたのは国内市場です。
国内での発売が海外から1年以上遅れると、メーカー自身や販売会社も販売促進に熱が入らず、結局は不人気車で終わってしまい、これはもったいない、とても惜しいことです。
それでも最近は日産が「今後はホームグラウンドの国内市場を見直す」と発言するなど、状況が少しずつ変わりそうです。
まずは新型車を発売するタイミングを是正して、大切に売ることを考えるべきでしょう。
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。
日本を舐めるな。日本にウェイトを置かない限りトヨタしか買わんからな
元々、日本で売ってない車種を『早く入れろ』って言うならともかく、売るつもりの(売っている)車種の日本仕様を同時期または近い時期に発売、発表出来ないと言う理屈が全く理解できない。
『国内販売数なんで微々たるものだからどうでもいい』って事でしょ。
ならいいよ、他のメーカー買うから。
いつ出るかわからん新型車なんて待ってられるか。