5m超ミニバン!トヨタ新型「シエナ」なぜ日本で販売不可? 新型は並行輸入もダメな理由
なぜ、4代目シエナは並行輸入出来ないのか
それでは、なぜ4代目だけが駆動用バッテリーを理由に輸入登録ができないのでしょうか。
独立行政法人自動車技術総合機構(NALTEC)検査課に理由を聞いてみました。
「シエナは全車ハイブリッドとなったことで日本の保安基準を満たしているかの確認にはFMVSSのラベルのほかに、駆動用バッテリーの技術基準が関わってきます。
日本では新たにEVやハイブリッド車を登録する場合、国連の協定規則UN/ECE R100-02という基準に適合していることが必須となります」
このように、新型のハイブリッド車ではFMVSSのラベルだけではダメということのようです。
その後、さらにNALTECに詳しく話を聞いたところ、2016年7月15日以降、バッテリー式電気自動車に係る協定規則100号第2部(R100-02)が採択され、新車型式登録をおこなう車両には再充電可能エネルギー貯蔵システム(REESS)に関する安全要求が義務付けられるようになったとのことです。
協定規則に合致しているかどうかは、バッテリーやクルマの製造国ではなく、販売される国(仕向け地)がベースとなります。
アメリカはUN/ECE の協定規則を採用する58協定の締約国ではないため、アメリカで販売されるハイブリッド車の場合、同じ型の車両が日本で販売されていない限り、並行輸入での登録は非常に困難になるようです。
前述した北米版プリウスや北米版ヴェンザ(ハリアーと同構造)はすでに類似する型式の車両が日本で販売されているため、アメリカから並行輸入のハイブリッド専用車でも日本での登録が可能になるのです。
では、4代目が日本で登録される可能性はゼロなのでしょうか。
EV普及活動を推進する一般社団法人JIMAは、国連協定規則UN/ECE R100-02の認定機関でもあり、小型EVを中心にこれまで数多くの認定をおこなってきました。
JIMAの担当者は次のように説明しています。
「R100の認定はバッテリー単体での認定ではなく、BMS、BMUなどのコントロールユニット、ブレーカー、ヒューズ、ケーシングなど車載の状態でさまざまな試験をおこないます。
耐火性の試験では実際にバッテリーに火を近づけて燃焼させるテストをおこないますのでR100をクリアして型式認定を取るとなると相当な費用が掛かるでしょう。
ですが、新型シエナもR100の問題だけクリアすれば日本で登録が可能になります」
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日本で登録するハードルが高そうですが、可能性はゼロではないようです。
ほかの可能性としては、北米で販売されるシエナにガソリン車が追加されるか、国連協定規則UN/ECEを採択しているEU圏内でシエナの正規販売がおこなわれれば、並行輸入のシエナであっても日本で登録される可能性が各段に高まることになります。
もっとも理想的なのは、トヨタが日本でシエナそのもの、またはシエナと類似するミニバンを販売してくれることでしょう。
同社のアルファード/ヴェルファイアよりも少し大きいミニバンですが、これらより大人しめのスタイリッシュなデザインでゆったりサイズのシエナは日本でも人気が出そうです。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
輸入車にカーテレマティクスが付いてるとスマホ同様に技適の問題も出てくるし、ローカライゼーションも大変ね。
欧州と仲のよい中国でシエナ発売されたので、R100とやらはカバーできているのでは?
トヨタ自体が日本で登録してるようだが、それでもダメなんだろうか、
もっと簡潔に書けるだろうに。