かわいいフォルムは賛否分かれる? キュートだけど売れなかった迷車3選
クルマの外観デザインは、販売を左右するもっとも重要な要素です。なかには、ターゲットを絞り込んでデザインされるケースもありますが、必ずしも成功するとは限らないようです。そこで、コロッとしてかわいいデザインながら売れなかったクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
かわいさ満点ながら売れなかったクルマを振り返る
クルマの販売台数を左右する要素はいくつか挙げられますが、もっとも重要なのは外観のデザインです。
たとえばクルマ選びをおこなう際では、ひと目見た瞬間に好き嫌いが分かれるケースも多いのではないでしょうか。
各自動車メーカーはデザインには多くの予算と時間をかけ、複数のプロセスを経て最終的なデザインの決定をおこないますが、なかにはターゲットを絞り込んだデザインを採用することもあります。
そこで、コロッとしてかわいいデザインながら売れなかったクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
●オートザム「レビュー」
マツダは車種の拡充と販売増を目的として、1980年代の終わりに5つの販売チャネルを展開しました。そのひとつであるオートザムから1990年に発売されたのが「レビュー」です。
外観デザインは丸みを強調したキュートなルックスを採用し、ボディサイズは全長3800mm×全幅1655mm×全高1470mmと非常にコンパクトですが、リアには容量280リッターの独立したトランクスペースがあるセダンとなっています。
また、トールスタイルとしたことで、身長180cm前後の大人でも頭上に余裕がある広い室内を実現。
エンジンは1.3リッターと1.5リッターの直列4気筒SOHCを搭載し、トランスミッションは5速MTと4速ATが設定されました。
グレード展開は幅広く、上級グレードには前後どちらからも開く画期的な電動キャンバストップが設定され、リアシートからも開閉操作が可能とするなど、斬新なアイデアも盛り込まれています。
価格は80万円台からと安価で競合するコンパクトセダンは少なかったものの、このクラスではハッチバックが主流で販売的には苦戦し、1998年に販売を終了。実質的な後継車は「デミオ」です。
●日産「NXクーペ」
1990年に発売された日産「NXクーペ」は、7代目「サニー」をベースに開発された3ドアハッチバッククーペです。
6代目サニーまではクーペの「RZ-1」をラインナップしていましたが、7代目はセダン専用車となったため、NXクーペは別車種として展開されました。
ボディサイズは全長4140mm×全幅1680mm×全高1310mmとショートスタイルで、カジュアルなイメージでデザインされており、やわらかなカーブの曲面で構成され、楕円の異形ヘッドライトを配置したフロントフェイスが印象的です。
北米市場の「ちょっとおしゃれで、知的で流行に敏感な女性」をターゲットとしたデザインは、カリフォルニアのNDI(日産デザインインターナショナル)によっておこなわれ、北米で人気だった「300ZX(Z32型フェアレディZ)」のエッセンスが随所に散りばめられています。
また、ノーマルルーフのほかにルーフの左右を脱着できる「Tバールーフ」も設定されるなど、やはりフェアレディZをモチーフにしていました。
エンジンは1.5リッター、1.6リッター、1.8リッターの、いずれも直列4気筒DOHCを搭載し、トランスミッションは4速ATと5速MTを設定。
アメリカではホンダ「CR-X」と同様に「セクレタリーカー」として一定の人気がありましたが、日本ではクーペのスポーツ志向が高まってきたことから販売は苦戦し、発売から4年後に生産を終了しました。
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