レア物発見!! 独創的なエアロで有名なシュトロゼックにポルシェ「911」があった

ポルシェ「928」のカスタムで有名なシュトロゼックに、「911」をベースとしたクルマがあった。RUFなどのポルシェ・チューナーと同じく、シュトロゼックのカスタムカーはいまでも人気があるのだろうか。

コラーニに師事したシュトロゼックとは

 ヴィットリオ・シュトロゼックの名前は、スポーツカーのチューニングのみならず、工業デザインの世界でも有名だ。

 エルゴノミクスデザインで有名なインダストリアルデザイナー、ルイジ・コラーニを師に、創造的で革新的なデザイン、彫刻的なデザインの楽しさと驚異的な立体的想像力を兼ね備える彼のデザインは、自動車の世界においてはレースへの熱意とエアロダイナミクスへの深い造詣となって常に表現されている。それは形と機能の完璧な共生。

●1996 ポルシェ「911 カレラ カブリオレ・シュトロゼック

シュトロゼックが手がけたポルシェとしては、ヘッドライトは純正そのままなので、比較的大人しめな外観だ(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
シュトロゼックが手がけたポルシェとしては、ヘッドライトは純正そのままなので、比較的大人しめな外観だ(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

 一般的にはあまり知られていない事実かもしれないが、シュトロゼックはさまざまなチューナー、あるいは自動車メーカーのモデルにも、デザインを多く提供してきた。

 例えばランボルギーニやマクラーレン、ブガッティ、そしてフェラーリなどのスーパースポーツ・ブランドなどにもデザインを提供してきた経緯がある。

 シュトロゼックがドイツ、ウッティング・アム・アンマーゼーの地に、シュトロゼック・オートデザイン社を設立したのは1982年のことだから、2021年は同社にとって創立40周年という記念すべき節目の年になる。

 1988年に完成したデザインセンターでは、当然のことながら40ッ周年を祝するアニバーサリーモデルが企画、製作される計画になっていたのだろうが、このコロナ禍の影響でそのプロジェクトがどうなってしまったのかも外部からは知る由もない。

 だがこの記念すべき年に、RMサザビーズは3月25日までオンラインで開催されるオープン・ロード・オークションに、そもそも生産台数が極端に少ないシュトロゼックのコンプリートカーを出品することに成功した。

 実際に出品されるのは、1996年式のポルシェ「911(993)カレラ・カブリオレ」で、ボディカラーはシュトロゼックのカンパニー・カラーともいえるイエローである。

 ヴィットリオ・シュトロゼックはヴァッパータール大学での卒業制作で現代の目で見れば初代スマートにも似たコンパクトな2シーターカーをデザインしているが、この時から鮮やかなイエローは彼がもっとも好むカラーだったのだ。

【画像】独創的なエアロパーツ! シュトロゼックのポルシェとは(20枚)

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