まさにターボマジック! ターボエンジンで大化けしたコンパクトカー3選
悲運の高性能コンパクトカーとは!?
●日産「パルサー GTI-R」
日産は1958年に参戦した豪州ラリーでのクラス優勝を皮切りに、国内外のラリーに積極的に参戦し、一時は「ラリーの日産」と形容されたほどです。
1970年代以降の世界ラリー選手権(以下、WRC)では「ブルーバード」や「フェアレディZ」、「バイオレット」で参戦して数々の優勝を重ね、市販車のポテンシャルの高さをアピール。
そのWRCへの参戦において最後のベース車両となったのが、1990年に発売された「パルサー GTI-R」です。
初代パルサーは1978年に「チェリーFII」の後継車として発売されたベーシックなFF車です。1982年に登場した2代目では1.5リッターのターボエンジンが設定され、スポーティなクーペの「パルサーエクサ」もラインナップ。
そして1986年にデビューした3代目では全車自然吸気エンジンに戻されましたが、1990年に登場した4代目で、高性能な4WDターボのパルサー GTI-Rが登場。
同じく4WDターボの8代目「ブルーバードSSS-R」は国内ラリーが主戦場だったのに対し、パルサー GTI-RはWRCへの参戦を目的に開発されました。
エンジンは2リッター直列4気筒DOHCターボの「SR20DET型」を搭載し、最高出力230馬力を発揮。トランスミッションは5速MTのみで、駆動方式はブルーバードと同様のセンターデフとビスカスカップリングを組み合わせたフルタイム4WDシステムの「アテーサ」が採用されています。
外観ではボンネット上にインタークーラー冷却用ダクトと、巨大なリアルーフスポイラーを装備し、高性能さをアピール。
また、ブルーバードと比べ100mm以上短いホイールベースのコンパクトな車体に、パワフルなターボエンジンを搭載したことで、ラリーカーとしてポテンシャルの高さが期待されました。
しかし、ライバルひしめくWRCでは最高位が総合3位と結果を残せず、1992年シーズンをもって、日産はWRCのワークス活動から撤退を決定。
その後、パルサーは1995年に5代目にモデルチェンジして再び全車自然吸気エンジンとなり、高性能グレードの「VZ-R」はホンダ「シビックタイプR」をライバルに戦場をサーキットに移しましたが2000年に生産を終了し、パルサーの歴史に幕を閉じました。
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今回、紹介した3台を振り返ると、昔は各メーカーともモータースポーツの参戦とサポートを積極的におこなっていたことがうかがえます。
しかし、近年はかなり消極的になってしまい、レースベースとなる高性能なコンパクトカーも激減してしまいました。
かつてはモータースポーツでの活躍が販売に大きく影響していましたが、もはやそういう時代ではないということでしょう。
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