「GT3 RS」が2000万円!? ポルシェ新型「911 GT3」の登場で注目集まる歴代モデルの相場とは?
最新型のポルシェ「911 GT3」の登場で、俄然注目が集まっているのが、歴代911 GT3だ。そこで、最新オークションに出品された996型と997型のGT3を比べてみよう。
コレクターズアイテムでもある「911 GT3」はRSを狙え
ポルシェ「911 GT3」が、最新の992型「911」をベースとしたモデルにフルモデルチェンジされたことは、VAGUEでもすでにお伝えしているとおりだ。
初代GT3が誕生したのは、最初の水冷式水平対向6気筒エンジンを搭載した996型911の時代で、それから997型、991型と、いずれも途中でビッグマイナーチェンジを施しながら進化を続けてきた。
そうしたマイナーチェンジも1世代とカウントするのならば、今回の新型GT3は第7世代に相当する。
●2004 ポルシェ「911 GT3 RS」(996型)
第7世代GT3が登場したことで、にわかに注目を集め始めているのが、オークション・シーンにおける過去の世代のGT3たちだ。
1999年に誕生した初代GT3が、3.6リッターの360ps版エンジンを搭載し、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェライフェですでに8分を切るタイムを記録していたことを考えると、いかに最新の991型が、4リッターの510psユニットのパワーで7分切りを達成したとはいえ、まだまだ歴代GT3のパフォーマンスは魅力的なものといえる。
あるいはGT3のフルラインナップを収集しようというコレクターも、世界にはかなりの数がいるだろう。
そのような動きを読んだのだろうか。イギリスのオークショネア、シルバーストーンは、2021年3月27日に開催する「レース・レトロ・ライブ・オンライン・オークション」に、2台のポルシェ911GT3を出品。
1台はさらにハードコアな996世代の2004年式「GT3 RS」で、もう1台は997世代の2007年式GT3だ。いずれもコンディションは、オークショネアが目をつけるだけに素晴らしく、コレクションとしてガレージに収めるのみならず、本格的にサーキット走行を楽しめるだけのクオリティを保っている。
そしてこの2台がとりわけ日本人のコレクターにとって気になる存在なのは、いずれも右ハンドル仕様であること。
参考までに996型GT3 RSの右ハンドル仕様は、ポルシェの記録によれば140台しか生産されておらず、このモデルはイギリスに輸出された113台のうちの1台。
一方の997型GT3は、正確な数は掴みきれていないが、いずれにしてもその比率は相当に小さいものであるだろう。
ホワイトのボディカラーに、軽量なレッドもしくはブルーのホイール。そしてそれにマッチしたボディサイドのデカール。
その姿を見ると思い出されるのは、1970年代にレースシーンで大活躍した「911 カレラ RS 2.7」だろう。
このGT3 RSも開発の目的は徹底した軽量化と、わずかではあるものの水平対向6気筒エンジンのパワーアップを図り、モータースポーツへの道を切り開くためのホモロゲーションモデルであることだ。
ポリカーボネイト製のリアウインドウやカーボンファイバーボンネットとリアウイングなど、軽量化のための策は実に幅広い。
エンジンも詳細にその仕様を見れば、空冷エンジンに由来する高剛性クランクケースの採用や、インテークやエグゾーストのポートなどが再設計されていることが分かる。サスペンションももちろんGT3 RSのために改良を受けている。
現在までの走行距離は3万1836マイル(約5万1000km)だ。この個体の予想落札価格は11万5000−13万ポンド(邦貨換算約1730万−1960万円)となっている。
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