なぜ新型SUVは小さいのばかり登場? 日本でコンパクトSUVが相次ぐ理由とは
ここ数年、SUVブームといわれていますが、とくにコンパクトSUVの勢いが増しています。その要因として、新規車種が相次いで登場していることが挙げられますが、なぜSUVブームにおいて、コンパクトSUVに自動車メーカーが注力するのでしょうか。
なぜコンパクトSUVばかり新規車種相次ぐ?
昨今、SUVブームといわれて久しいですが、なかでもコンパクトSUV市場が急成長しています。
なぜさまざまなSUVが存在するなかで、コンパクトSUVだけが勢いを増しているのでしょうか。
コンパクトSUVというジャンルに明確な定義はないものの、一般的には全長4500mm未満のSUVを指すことが多いです。
そのなかで、現在のコンパクトSUVジャンルは、2010年に登場した日産「ジューク」から始まったとされています。
その後も各社は新規車種として、ホンダ「ヴェゼル」(2013年)、マツダ「CX-3」(2015年)、トヨタ「C-HR」(2016年)、三菱「エクリプスクロス」(2017年)が登場。
その後もコンパクトSUVの新規車種は相次ぎ、2019年にはマツダ「CX-30」、トヨタ「ライズ」、ダイハツ「ロッキー」。2020年には日産「キックス」、トヨタ「ヤリスクロス」、マツダ「MX-30」が登場しました。
一方で、同時期に全長4500mm以上のミドルサイズSUVも登場していますが、そのほとんどは先代モデルからのフルモデルチェンジとなり、新規車種としては2017年にマツダ「CX-8」が登場したくらいです。
また、過去5年では輸入車メーカーでもコンパクトSUVのラインナップを拡充させています。
現在のコンパクトSUVについて、国産メーカーの担当者は次のように説明しています。
「日本でコンパクトSUVのラインナップが増えているのは、現在の新車市場のトレンドだからといえます。
元々、日本では狭い道路事情などから、軽自動車やコンパクトカーが一定数の人気を博していました。
同時に多人数乗車を求めるユーザーからミニバンも支持され、この3つのボディタイプが人気ジャンルとして長く定着していました。
しかし、2000年頃から世界的にSUVが見直され始め、それまでの走行性や安定性、乗り心地が大幅に向上したことで、都市型SUVというジャンルが確立されて今に至っています。
また、年々ユーザーのニーズは多様化かつ細分化されています。その過程で都市型SUVであれば、そこまで大きなボディサイズは必要無いというニーズが出てきたことで、2010年代以降に続々とコンパクトSUVが登場しました。
さらに、近年でプラットフォーム共有化が主流となったことで、コンパクトモデルやミドルセダンのプラットフォームをベースにコンパクトSUVを開発出来ます。
そのため、価格的にも従来のミドルサイズSUVよりも抑えられるなどのメリットもあり、ユーザーとしても流行りのSUVに手が届きやすくなったという要素なども合わさった結果、相次いで新規車種が登場するようになったといえます」
また、首都圏の国産メーカー販売会社の担当者は次のように話しています。
「最近のコンパクトSUVは、デザイン面や走行面でオンロード/オフロードそれぞれに強みを持ったモデルや、ガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車、電気自動車などパワートレインも多様化しています。
これにより、幅広いユーザーがコンパクトSUVに関心を持つ機会が多くなったため、人気ジャンルへと定着したのだと思います」
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現在のコンパクトSUVは、性能だけでなく機能面でも進化しました。
ヤリスクロスでは多彩に荷物が詰めるように4:2:4分割後席や、高さを2段階調整可能な6:4分割アジャスタブルデッキボードを採用しています。
また、キックスではアクセル、ブレーキ、ステアリング操作をクルマがアシストする「プロパイロット」を装備。これにより、高速走行などにおけるドライバーの負担を軽減します。
さらに、2021年4月に発売される新型ヴェゼルでは、スマホをクルマのキーとして使用出来る「Honda デジタルキー」やWi-Fiスポットとしても活用出来る「車内Wi-Fi」を採用するなど、先進的な装備も搭載されます。
このように、各社のコンパクトSUVはそれぞれに個性を持たせることで、独自の魅力を訴求しているようです。
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