ヒットにつながった先駆者? 成功の原動力となった車3選

高出力と低回転域のトルクを両立した夢のようなエンジンが誕生!

●ホンダ2代目「インテグラ」

自然吸気エンジンながらリッター100馬力を達成した2代目「インテグラ」
自然吸気エンジンながらリッター100馬力を達成した2代目「インテグラ」

 ホンダは1973年に初代「シビック」を発売して以降、ユーザーの拡大を図るためにラインナップの拡充を進めました。

 そうして誕生した1台が、1980年に発売された「クイント」です。

 しかし、5ドアハッチバックのクイントは取り立てて優れた面は少なく、販売は低迷。この事態の打開を図るために、1985年に後継車の「クイントインテグラ」を発売し、見事にヒット作になります。

 そして、1989年に初代からキープコンセプトとした2代目がデビュー。車名は「インテグラ」に改められました。

 ボディタイプは3ドアハッチバッククーペと4ドアハッチバックをラインナップ。車格的には、シビックとアコードの中間に位置します。

 このインテグラ最大のトピックスは、ホンダ初となる「VTEC」エンジンが搭載されたこと。VTECとは「Variable valve Timing and lift Electronic Control system」の略で、「電子制御式可変バルブタイミング・リフト」と訳され、バルブ開閉機構を可変制御するというものでした。

 自然吸気エンジンで高出力化をおこなうには、高回転域でいかにトルクを発生させるかにかかってきますが、それに伴って低回転域のトルクを犠牲にすることになります。

 しかし、VTECは可変バブル機構によって低回転域のトルクを犠牲にすることなく、高回転域でのトルクの向上を実現。1.6リッター直列4気筒DOHC VTECエンジンは、自然吸気ながら最高出力160馬力(MT車)と、リッターあたり100馬力を達成しました。

 その後、高性能なVTECエンジンは「NSX」や「シビック」、そして「タイプRシリーズ」に搭載され、高性能自然吸気エンジンの代名詞でもありましたが、燃費性能の向上を目的としたエンジンにも採用されるなど、ホンダ製エンジンの定番技術となります。

 また、他社も追従したことで、可変バルブタイミング機構はグローバルなスタンダードとなり、インテグラの成功なくしてなし得なかった偉業といえます。

※ ※ ※

 最後に紹介したインテグラのVTECエンジンですが、初期のモデルは非常に繊細なエンジンでした。

 とくに重要だったのがエンジンオイルの管理で、純正オイルを使って推奨される期間で交換しないと、最悪はカムシャフトのカム山のカジリや、焼き付く可能性もあったといいます。

 自然吸気でリッター100馬力を実現するためには、それほどまでにギリギリの設計が必要だったのかもしれません。

 現在は加工技術や表面処理技術、オイル性能の向上から、高性能なVTECエンジンでもそれほど気を使わなくなりましたが、いずれにしてもエンジンオイルは内燃機関にとって重要なことに変わりはありません。

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Writer: くるまのニュース編集部

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