フェラーリだけじゃない! ケーニッヒが手がけたBMW「6シリーズ」とは?

ド派手なボディワークがケーニッヒの真骨頂

 今回ボナムスオークションに登場したのは、そんなケーニッヒが手掛けたBMW「635CSi」である。ネーミングは、BMW「635CSiケーニッヒ・クーペ」となる。

●1986 BMW「635CSi ケーニッヒ・クーペ」

サイドからリアまわりへのデザインは、確かにその他のケーニッヒが手がけた車両との共通点を見いだすことができる(C)Bonhams 2001-2021
サイドからリアまわりへのデザインは、確かにその他のケーニッヒが手がけた車両との共通点を見いだすことができる(C)Bonhams 2001-2021

 635CSiは当時、世界一美しいクーペと呼ばれていた。それをベースに、ケーニッヒはボディキットによって、シャープなウェッジラインを描いている。

 ワイド化されたフェンダーとボディパネル、そしてリアウイングは統一感をもってデザインされ、リアバンパーは大胆に跳ね上げられたことで、センターマフラーは丸見え状態となっている。

 これは、ボディサイドの空気をダウンフォースに活かしたいということと、フロア下を流れる空気を極力早く後方へと出すことで、フロアでのダウンフォース獲得を狙ったものだろう。

 もちろん、現代のクルマと比べると粗削りなデザインだが、当時の流体の解析はまだまだアナログだったことを思い浮かべてもらえれば、分かりやすいカタチ、といっていいだろう。

 そんな635CSiケーニッヒ・クーペが何台製作されたのかは、ケーニッヒに記録が残っていないために不明だ。ただ、イギリスには2台のみであったと伝えられているようだ。つまりこれは、その2台中の1台というわけだ。

 このオークションに登場する以前は、長年にわたって博物館で展示されていたとのことだが、博物館側の問題、おそらくは財政面の問題で高等裁判所から販売命令が出され、オークション販売されることとなった。そのため、公道を走るためには再整備が必要だが、再登録するための書類は付属している。

 クルマの機能的な状態は不明であるにもかかわらず、予想落札価格は1万5000−2万ポンド(邦貨換算約220万−300万円)と、写真で見る限りあまりコンディションが良くないことを考慮すると、いささか高価とも思える価格だ。

 これはクルマというものに文化的な価値を見いだす、文化的側面が英国にはあるからだろう。昨今、E30型「M3」と同じ時代のE24型「6シリーズ」の価格も上昇気味である。果たして、ケーニッヒが手がけたとされるレアな6シリーズにはどのようなジャッジが下されるのか楽しみである。

【画像】狂気のカスタム、ケーニッヒをチェック!(15枚)

「えっ!カッコいい!」 マツダの「スゴいSUV」登場! どこが良いの?

画像ギャラリー

1 2

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー