日産が究極のエンジンを開発! 熱効率50%の次世代e-POWER投入へ 「技術の日産」復活か

熱効率50%って何がスゴイの? EVとe-POWERで日産が強みを増す!

 今回発表された新技術は、現在最大で40%程度の熱効率を50%に引き上げるという強烈な内容です。

 ガソリンエンジンの熱効率、トヨタのハイブリッド車やマツダのスカイアクティブX、スバルの希薄燃焼ターボなどで40%程度に達してます。

 これまで、熱効率を30%から40%になるまで30年ほど掛かった。それを日産は2030年代半ばをメドに50%を目指すという。

 ガソリンエンジンとしては夢のような熱効率といってよい。

 2020年のこと、東京工業大学と慶應義塾大学で共同開発した超希薄燃焼とシリンダー内の水噴射を組み合わせたエンジンで熱効率52%を達成したことが大ニュースになったほど。

「50%の実用化、スゴイ!」文頭に書いた通り熱効率40%より25%くらい燃費良くなるというから素晴らしい。

欧州向けの新型「キャシュカイ」には、1.5リッター+VCターボを組み合わせたe-POWERを採用。このe-POWERにも次世代技術の考え方が用いられている
欧州向けの新型「キャシュカイ」には、1.5リッター+VCターボを組み合わせたe-POWERを採用。このe-POWERにも次世代技術の考え方が用いられている

 今回、発表された技術を簡単に説明すると、薄いガソリンをキッチリ燃焼されることと、エンジンを発電専用と位置づけて効率の良い回転数&負荷だけで使うというもの。

 これが実現すると、エクストレイル級のクルマでも25km/Lに肉薄する実用燃費になることだろう。もちろん世界中の厳しい燃費規制をクリア出来る可能性大。

 日産は電気自動車と、極めて燃費の良い電動化車両という今後20年の自動車に必要なアイテムをふたつ揃えたことになります。

 しかも電気自動車もe-POWERも同じプラットフォームとモーター、インバーターに共通化出来る(変速機は不要)。

 基本骨格として考えたら万全。コストダウンしながら魅力のあるクルマ作りが出来たら日産は強くなります。

【画像】これはカッコイイね! 初公開された新型キャシュカイを見る(34枚)

まさか自分のクルマが… 高級外車のような超高音質にできるとっておきの方法を見る!

画像ギャラリー

Writer: 国沢光宏

Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。

1 2

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

7件のコメント

  1. 日産自動車は、良い車を沢山世に出しているのに、度重なる上層部の馬鹿の不祥事で、全て台無しにしている‼️
    あれだけ「上」が使えないのに、逆に良い車が出きると言う事も、奇跡なのか?
    経営陣は、しっかりとしたマーケディング、日産を支持してくださるお客様、そして、懸命な現場スタッフの為に、結果を出せ‼️
    ゴーンや西川のような背任者、検査偽装などの不祥事を2度と出すな‼️
    それと、必ずアリア、フェアレディZ、エクストレイルを年内に出せ‼️

  2. 40年程前にエンジン開発に携わっていました。その時に先輩から、「ターボやツインカムよりも燃焼時に水を1滴でも入れることが出来たら究極のエンジンが出来る。水の膨張率はガソリンの爆発膨張の比ではない。しかし、そんなエンジンを造る事はできないだろう。」と聞かされた事を思い出しました。
    快挙だと思います。おめでとうございます。

    • ちょっと違うと思う、
      水噴射の目的は水自体の膨張が目的ではなく
      気化熱を利用した気筒内冷却による混合気燃焼の膨張比率向上と対ノック性向上が目的でしょうね。
      第二次世界大戦時のターボ付き航空機エンジンなどで
      以前から用いられてる水エタノール噴射装置と理屈は一緒である
      (ちなみにエタノール混ぜたのは上空の低温下での凍結防止の為です)
      従来燃費を気にしなかった頃の自動車は燃料を多く吹いた気化冷却で補っていたが、
      直噴だとそれには限度があるし燃費効率が悪い、
      EGRを一種のインタークーラーで冷却し多く取り込むだけでは吸気温度を抑えられても下げる程にはならず、
      ここで上げられてる東工大グループの研究発表以前に
      2015年頃からボッシュが水噴射システムを出しており
      当初はBMWなどが出力向上目的に一部採用したに留まっていたものの、
      東工大グループの研究発表をみるや
      熱効率向上の底上げにも期待出来ると分かり
      日産も手を出したというのがたぶん真相でしょうね。

  3. 中国に盗まれないように。

  4. 発電専用であれば、定負荷定回転数域での燃費効率のみを追求する事ができる。発電と走行動力源を分けた事が、良い結果に繋がったのかな。

  5. まあ、あくまで定点運転での熱効率50%達成の目途が付いたという話で、
    技術的には画期的なものは無く従来から日産が持ってる技術を組み合わせ突き詰めて緻密な制御をした結果
    発電専用として割り切れば可能という限定された条件付きで、
    他のエンジン開発者から見れば
    発電専用として割り切ればうちでも出来るだろうが…そんなもんだろう
    という感じでしょうね、
    でも他だと発電専用エンジンにそこまで突き詰めた開発許可と経費出してくれない…
    あくまでe-POWER(シリーズハイブリッド)を主力商品にする日産だからこそ得られた結果、
    日産としては他社に追従されるかも知れないが
    先に50%効率達成の一番乗りを名乗り上げておいた方が
    イメージアップにつながると見ての情報発信でしょうね。

  6. 欧米中はガソリンエンジンで日本に勝てない。
    EVなら中を利用し、ブランド力だけで日本を追い落とせると踏んでいるのでは。コロナ渦でも似非ワクチン売る為にド派手な演出をやった訳でチキュウオンダンカカーボンフリー祭りをお柄の悪い子供まで利用して演出、元は取りまっせ。
    文系脳のメデイア等簡単に騙せる訳で(工学系の社員居ても御身大切)30年だの50年だの先には新たな技術も生まれる訳でEVは一時的な流行に終わるだろう。トヨタの経営人は冷静、政府(経産省)だって本腰入ってない本気なら電気代何とかするさ。世界一高いと言われる日本の電気とエアコン節約の難行苦行ゴミ価格のリセール等などで得られるものはあまりに少ない。
    インターネットやスマホ登場の様なユーザーへの利便性や夢が全く無くEVパラダイムシフトは起きないから祭りでひっくり返しガソリンエンジンを締め出す算段だろう。
    バイデンは早くも空爆を始めた、旧マスメディアは世界をミスリードしている。善意だろうと悪意だろうと要は結果だ。
    TV広告減らしてネット広告に注力するだろう。ネットは双方向だからこそ有益、旧メデイアはネットやっても一方通行。変革が起きるのは自動運転業界よりマスメディア業界だろうにね。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー