なぜ名古屋だけに「基幹バスレーン」存在? 他県ユーザー困惑の道路事情とは
自動車の保有率がトップクラスの名古屋市には、初見のドライバーは必ず迷うと言っていいほど独特な「基幹バスレーン」という道路があります。それは一体どういった道路なのでしょうか。
ドライバーを迷わせる基幹バスレーンとは?
自動車の保有率がトップクラスの名古屋市には、初見のドライバーは必ず迷うといっていいほど独特な「基幹バスレーン」という道路があります。それは一体どういった道路なのでしょうか。
「愛知といえばトヨタ」を思い浮かべる人が多いほど、トヨタのイメージが強い愛知県は、クルマの保有数、免許取得者ともに数値の多い県であり、中心地である名古屋市はクルマを中心とした交通機関が発達しています。
交通機関のなかでとくに独特なのが名古屋市の栄から引山、及び名古屋駅から光ケ丘を結ぶ基幹バスの新出来町線です。
基幹バスは従来のバスよりも高速、高密度で定時性の高い運行が実現されており、新出来町線では朝夕のピーク時でも1分から2分間隔、昼間は3分間隔と、短時間のスパンで稼働しています。
そんな基幹バスが走る「基幹バスレーン」と呼ばれる道路は、初見のドライバーが通行すると必ず迷うといわれているほど危険な道路だといわれています。
一般的に、バスは車線の左寄りもしくは右寄りに走行し、歩道の停車駅に停車しますが、基幹バスレーンでは、複数車線あるうちの中央車線をバスが走行するレーンです。
交差点によっては左から直進、直進、右折、バスレーン直進と、右折レーンが中央寄りでない場合もあります。
通常であれば左折、右折は車線の左右寄りで設定されていることが多いため、初めて利用するドライバーは間違えてしまう可能性が大いにあり、さらに曲がるタイミングを見計らわないと衝突事故になりかねません。
実際に、2017年12月には基幹バスレーン区間にて自転車と乗用車が衝突する死亡事故が起きています。
また、基幹バスレーンは平日7時から9時、夕方の17時から19時の間(桜通大津から引山間)にて中央1車線が専用レーンとなり、その時間帯は一般車両の利用が規制されるため、車線状況に加えて区間や時間の規制によりドライバーを混乱させることから、どの時間にどの道を走って良いのか分からなくなるといった状況になりかねません。
そのため、基幹バスレーンを走行する際には十分道路状況を確認した上で走行することが大切です。
基幹バスレーンについて、名古屋市交通局の担当者は以下のように話します。
「基幹バスレーン自体は非常に合理的な仕組みになっており、車線が入り乱れているとはいえ、セパレート信号により右折する一般車両と直進する基幹バスが交錯するということはありません。
また、道路自体にも矢印で右折指示が出ているので、初めて走る人でも冷静に周りを見ていただければ問題ないです。
ただし、基幹バスレーンがバス専用の時間帯であっても一般車両が走行していたり、バスレーンに入ったり出たりをおこなっている一般車両がいる場合があるため、非常に危険と感じています。
基幹バスレーンを利用する際にはルールを守って周囲を確認しながら走行していただきたいです」
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また、日常的に基幹バスレーンを利用する名古屋市在住の男性は以下のように話します。
「バスレーンではない一般レーンを走っている分には、バスが停車や右左折したりする影響を受けずに走行できるので便利です。
ですが、基幹バスレーンを走行している一般車両が、突然一般レーンに入ってくるといった経験があり、ヒヤッとした経験が何度かありました。
基幹バスレーンを走行する際は周りを確認しながら走行することはいつも以上に意識しています」
日頃、右側車線しか走らないドライバ-にはうっとしいだろうね。