4億4000万の25台限定ゴードン・マレー「T.50s ニキ・ラウダ」の全貌が明らかになった!

伝説のスーパーカーとして、オークションでは10億円で落札されることもあるマクラーレン「F1」。そのF1を開発したゴードン・マレーが作った「T.50」のサーキット専用スペシャル「T.50s」の全容が明らかになった。車名にはニキ・ラウダの名前が加わることになった。

故ニキ・ラウダの誕生日に発表された「T.50s」

 ゴードン・マレー・オートオーティブ社は、2022年2月22日に「T.50s ニキ・ラウダ」を発表した。T.50s ニキ・ラウダは、「T.50」をベースとしたサーキット走行専用モデルだ。

 開発はT.50と並行しておこなわれていたというが、正式発表が2月22日となったのは、この日が故ニキ・ラウダの誕生日であったからである。マレーとラウダは個人的にも親交があり、マレーはサーキットでラウダが満足できるインプレッションとなるように、このニューモデルの考案、そして設計をおこなったと述べている。

「ゴードン・マレー T.50s ニキ・ラウダ」では、巨大なリアウイングが装着された
「ゴードン・マレー T.50s ニキ・ラウダ」では、巨大なリアウイングが装着された

 まず、ゴードン・マレー・オートオーティブ社について簡単に説明しておこう。同社は、ゴードン・マレー・デザインの姉妹会社だ。マレーの名は、とくにF1GPの世界を詳しく知る者、あるいはスーパーカーの世界に造詣の深い者には、あえて詳しく解説する必要もないだろう。

 ゴードン・マレーは、1969年から1990年までふたつのF1チームでテクニカルディレクターの役を担い、1990年に50回目となるF1GPでの勝利を獲得すると、F1の世界から離れ、マクラーレン・カーズ・リミテッドの新会社設立に専念する。ここで誕生したマクラーレン「F1」ロードカーやメルセデス・ベンツ「SLRマクラーレン」が、いずれも大きな成功を収めたことは、良く知られている

 そのマレーが2007年に設立したのが、ゴードン・マレー・デザイン・リミテッド社だ。世界のファンはここから究極のスーパースポーツが誕生することを強く望んでいたが、その夢が現実となったのは2020年になってからのことだった。

 設計に一切の妥協を許さないマレーの性格をそのまま具現化したかのようなスーパースポーツ「T.50」がそれで、車名は彼の50年のキャリアと50番目のプロジェクトであることを意味している。

 生産は2022年1月からスタートする予定だが、236万ポンド(邦貨換算約3億2600万円)という高額にもかかわらず、限定100台の枠にはすでにすべてカスタマーが決定している。

 マレーとそのチームは、T.50のバランスのとれた古典的なプロポーションを維持しながら、空力性能の目標を達成するために、T.50s ニキ・ラウダのボディデザインに取り組んだ。走行中のスタビリティを高めるために最先端の空力技術を採り入れ、かつ車体の最後部には400mm径のファンを搭載。

 このファンによってフロア下を流れてくるエアの速度、すなわちダウンフォースを制御する仕組みだ。マレーによれば、ふたつのエアロモードとドライバーが選択できる4つのモードが設定されるという。またフィンにはニキ・ラウダのロゴも備えられている。

【画像】エアロパーツで武装された「T.50s ニキ・ラウダ」のディテールをチェック!(36枚)

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