10年目で全面刷新? トヨタ「アクア」販売継続&終了の悩ましい選択とは
モデルサイクルや販売台数から新型アクアの時期が見えてきた
通常、トヨタの主要車種のモデルサイクルは、おおむね6年から7年であることが多いとされています。
例えば、トヨタの主力モデルのひとつである「ヴィッツ(現ヤリス)」の初代は1999年から2005年までの6年、2代目は2005年から2010年までの5年間、3代目は2010年から2020年までの約10年間、そして4代目はヴィッツからヤリスに名を変え2020年2月に登場しています。
またプリウスは、初代が1997年から2003年までの6年間、2代目は2003年から2009年までの6年間、3代目は2009年から2015年までの6年間生産。4代目は2015年に登場し、2021年現在で6年目を迎えました。
このトヨタのモデルサイクルにアクアを当てはめると、2011年に登場したため、最短で2017年にはフルモデルチェンジする計算になりますが、外観デザインの変更やグレード体型の整理といったマイナーチェンジに留まっています。
その理由のひとつとして考えられるのはアクアが人気車種である点が挙げられます。
日本自動車販売協会連合会が発表している新車登録台数を見ると、アクアの年間登録台数は、初代が登場した翌年の2012年には26万6567台で2位、2013年は26万2367台で首位を獲得、それから2014年、2015年には1位を維持し続けます。
それから2016年には16万8208台で2位、2017年は13万1615台で3位、2018年は12万6561台で2位、2019年は10万3803台で4位と、毎年ランキングTOP5を維持し続け、登録台数が大幅に減少することがなく10万台以上を売り上げていたため、2017年はマイナーチェンジに留まったと考えられます。
一方で、2020年の新車登録台数を見ると5万9548台でランキングは14位と、前年に比べて半数近くにまで数値が落ち込んでいます。
一般的に、モデル末期のクルマやフルモデルチェンジの噂が流れると、モデルチェンジを待つ「買い控え」が起きるため、販売台数は減少する傾向にあり、販売台数が伸び悩む車種は作り続けても売れないため、早期に生産や販売を中止することもあります。
アクアの場合は、モデルチェンジをしなくても10万台以上を販売する売れ筋モデルとなっていましたが、最近では同社内に同じカテゴリーのライバルの「ヤリス」が登場したのが販売台数に影響したといえます。
また、近年ではゼロから開発される新規モデルは発売の4年前、フルモデルチェンジでは2年前ほどから計画がスタートする傾向にあるといいます。
それをアクアに当てはめると、2019年時点となり当時ではすでにヤリスの計画が最終段階にあったことも踏まえると、トヨタ内での棲み分けなどにより「1代限り」もしくは「2代目へ刷新」が検討されていたはずです。
かつてトヨタ関係者は、「アクアには手軽にハイブリッド車を購入出来るという使命があった」といいますが、噂ではフルモデルチェンジしたアクアにはトヨタの最新ハイブリッドシステムは搭載せず従来のシステムを採用することで、価格を抑えるという話もあります。
こうした流れもあり、ヤリスのハイブリッド車とは異なる立ち位置を明確にしたことで、フルモデルチェンジする動きになったと考えられるのです。
前述とは別のトヨタ販売店スタッフは、登場時期について、次のように話します。
「アクアは、2021年2月時点ではオーダーストップになっていません。
オーダーストップは、だいたいモデルチェンジの約2か月前になるので、噂されている夏頃にフルモデルチェンジするなら、5月か6月頃にオーダーストップになると思います。
弊社のお客さまでは、アクアからヤリスハイブリッドに乗り換える人もいますが、アクアを待っていらっしゃる人もいますので、アクア人気はまだまだ続いていると感じています」
※ ※ ※
アクアは、登場から10年近くが経過しても10万台以上の販売台数を記録する人気車種です。
2020年にヤリスが登場し、販売が伸び悩んでいることやアクアを待ち望む声があることからも、フルモデルチェンジした新型モデルに期待が高まります。
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