農業だけじゃない! 軽トラ荷台をオフィスや屋台に活用!? ダイハツが取り組む軽トラ戦略とは
なぜ軽トラで実証実験をおこなう? ダイハツの狙いとは
妙高高原やいなべ市での軽トラを使った斬新な実証試験について、ダイハツの狙いはどこにあるのでしょうか。ダイハツの大阪本社に直接聞いてみました。
まず、前提となるのが、2017年3月に発表した中期経営計画「D-Challenge 2025」です。
このなかで、「モノづくり」と「コトづくり」を主軸に事業を推進し、ダイハツブランドの確立を目指すとしています。
「コトづくり」では、高齢者、女性、地方の人々を中心に社会とのつながりの強化を目指します。
ダイハツ大阪本社にある、コーポレイト統括本部・新規事業戦略室では、軽自動車を活用した地方での具体的な実証のアイディアを練っているなかで、妙高高原、いなべ市のアイディアが実現したといいます。
また、ダイハツの近年発表したショー・コンセプトモデルを振り返ってみると、軽トラ関連でさまざまな発想がありました。
たとえば、2019年の東京モーターショーでは、人々の「つどい」をテーマとし、その後に「タフト」として量産した軽クロスオーバー「Waku Waku(ワクワク)」と並んで、近未来型軽トラ「Tsumu Tsumu(ツムツム)」を出展しています。
直近では、バーチャルでの開催となった東京オートサロン2021年に出展した「ハイゼット ジャンボキャンパーVer.」があります。
こうしたコンセプトモデルに見られるような、「モノづくり」としてのハードウエアとして見える化するだけでなく、ダイハツは「コトづくり」の現場も次々と生み出そうとしているのです。
今後については、「コトづくりを具体的に事業化することの難しさは、ダイハツとして十分に認識しています。(コトづくりのショーケースという観点で)実証試験を通じて、全国各地でのダイハツ販売店とそれぞれの地域での対応を考えていきたいと思います」(ダイハツ大阪本社)と方針を説明しました。
ダイハツが推進する、軽トラ「コトづくり」戦略。これからも、ユーザーや販売店が、あっと驚くような地域に役立つアイディアがドンドン出てきそうです。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
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