「なぜトヨタは強いのか」 他社も新型車投入相次ぐ中、トヨタ一強時代が到来する訳
トヨタの販売体制は他メーカーと何が違う?
前出の販売会社の担当者が触れていた全国で全車種の取り扱いが開始という部分には、どのような意味があるのでしょうか。
かつてホンダや日産、マツダなどもトヨタと同じような複数の販売チャネル体制を構築していました。
しかし、それぞれに専売モデルを設定することは、その分開発費や製造過程のコストが掛かります。
こうした理由から2000年代には、トヨタを残して複数の販売チャネルは廃止されました。
そのなかで、これまでトヨタは4つの販売チャネル(トヨタ店/トヨペット店/カローラ店/ネッツ店)を展開し、それぞれに専売モデルを設定していました。
例えば、ミドルミニバンの「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」はシャシが共通したデザイン違いのモデルですが、ノア(カローラ店)、ヴォクシー(ネッツ店)、エスクァイア(トヨタ店・トヨペット店)となっていましたが、2020年5月から全国の店舗で全車種が取り扱えるようになったのです。
そして、前述のようにユーザー側のメリット増や新型モデルの投入などにより、コロナ禍ながら販売台数を伸ばしていました。
また、各社の販売体制という部分では店舗数も大きく影響しています。
トヨタ系列の販売店は全国に約4600店舗といわれており、ホンダや日産が約2000店舗、マツダやスバルが600店舗から800店舗、スバルが約500店舗とそもそもの販売店に大きな差が存在します。
これらの販売体制の差がそのまま販売台数の差になっているのです。
こうした店舗数について、日産の販売会社の担当者は「やはり、店舗数が多いほうがお客さまからすると購入しやすいです。メーカーにこだわらず、自分の家の近くに店舗があるという理由で、来店されるお客さまも一定数はいらっしゃいます」と話しています。
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また、コンビニなどと同じようにどこにでもあるという部分では、今後のサービス展開において重要な要素となり得ます。
今後、販売店は新車購入やメンテナンス以外にモビリティサービスの拠点となる戦略が各社から打ち出されています。
そのため、店舗数が多いほうがカーシェアリングなどのサービスも広く展開しやすいうえ、電気自動車がさらに普及すれば充電スポットの拠点としても重要な役割を持ってきます。
現在、日産ではほとんど店舗に充電スポットを設置しており、日産車以外の電気自動車でも充電が可能です。
こうした単純にクルマの販売だけでなく、さまざまなサービス展開においても店舗数は大きな強いとなります。
今後、サービス面を含めた販売体制の構築は新たな局面を迎えていくのかもしれません。
販売店舗数が多いのも確かに強さの理由ではあるけど、
そこに供給する生産規模の大きさもまた強みでしょうね。
複数の人気車種を月1万台以上生産し国内登録販売出来る体制を持ってるのはトヨタだけと言える、
他社では予想以上に人気になれば納車待ちが長期化する為、
月販数が伸び悩みたとえ人気があってもこのランク上位に上がってこれない事もある訳です。