「えっ?」国道なのにクルマは通行禁止!? 歩行者専用の「階段国道」とは
青森県弘前市から五所川原市、中泊町を経由して外ヶ浜町に至る国道339号の一部に「階段国道」と呼ばれる、クルマではとおれない国道があると話題になっています。いったいどんな道なのでしょうか。
国道の指定要件は道路の状態は関係ない
演歌歌手の石川さゆりさんが歌う「津軽海峡冬景色」で有名な、青森県の津軽半島の最北端にある竜飛岬に、「階段国道」と呼ばれるクルマではとおれない国道があると話題となっています。いったいどんな国道なのでしょうか。
階段国道と呼ばれているのは、竜飛岬灯台入口と竜飛漁港を結ぶ全長388.2メートル、段数は362段で標高差約70メートルと、かなりの急こう配となる階段です。
実はこの階段、国道339号線の一区間で階段の入り口には国道を示す逆三角形の路線番号標識が立てられています。そのため、れっきとした国道でありながら、クルマやバイク、自転車ではとおれない、徒歩専用の国道となっているのです。
国道というと街の幹線道路など、大きな道路を思い浮かべると思いますが、国道の定義とはいったいどのようなものなのでしょうか。
道路交通法第5条では、次のように定められています。
一.国土を縦断し、横断し、又は循環して、都道府県庁所在地その他政治上、経済上又は文化上特に重要な都市を連絡する道路
二.重要都市又は人口十万以上の市と高速自動車国道又は前号に規定する国道とを連絡する道路
三.二以上の市を連絡して高速自動車国道又は第一号に規定する国道に達する道路
四.港湾法第二条第二項に規定する国際戦略港湾若しくは国際拠点港湾若しくは同法附則第二項に規定する港湾、重要な飛行場又は国際観光上重要な地と高速自動車国道又は第一号に規定する国道とを連絡する道路
五.国土の総合的な開発又は利用上特別の建設又は整備を必要とする都市と高速自動車国道又は第一号に規定する国道とを連絡する道路
道路交通法において国道は、どういう場所をとおる道路かという規定はあっても、どのような状態の道路かという要件は設定されていないのです。
もともと生活道路として階段があったところが、道路整備のために国道に指定されたという階段国道ですが、現在は日本で唯一の階段区間のある国道として旅行者からも人気のスポット。高低差もあるため絶景も楽しめるだけでなく、梅雨の時期には紫陽花が満開になるなど、季節によってさまざまな表情を見せてくれると、SNSなどでもたびたび話題となっています。
階段国道と呼ばれるクルマのとおれない国道は、階段と細い路地で構成された歩行者専用の世にも珍しい国道でした。
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