パワーこそ正義! 高出力ターボエンジンを搭載したステーションワゴン5選
性能を競い合ったライバル関係の2台とは
●スバル「インプレッサ スポーツワゴンSTi」
初代レガシィの登場によって、スバルのクルマづくりに対する設計思想は大きく変わりました。そうして1992年に誕生したのが、初代「インプレッサ」です。
レガシィと同様に、パワフルなエンジンにフルタイム4WDシステムを組み合わせたグレードを設定した、セダン/ステーションワゴンとして人気となりました。
とくに「インプレッサ WRX」が世界ラリー選手権で勝利を重ねたことで、インプレッサ=高性能車というイメージが確立します。
このインプレッサ WRXをベースに、スバルテクニカインターナショナルがさらにチューニングしたモデルが「インプレッサ WRX STi」で、わずかな期間のみステーションワゴンにも設定されました。それが「インプレッサ スポーツワゴンSTi」です。
2000年に登場したスポーツワゴンSTiは、基本的にセダンのWRX STiと同等のシャシ性能と動力性能が与えられ、エンジンはインタークーラーウォータースプレーを備えた2リッター水平対向4気筒ターボを搭載し、280馬力を発揮。
組み合わせるトランスミッションは6速MTのみで、駆動系ではセンターデフにビスカスLSDを用いたフルタイム4WDを採用しています。
その後、2代目インプッサは2002年にフロントフェイスを一新する(「丸目」から「涙目」)ビッグマイナーチェンジがおこなわれましたが、それと同時にスポーツワゴンSTiはラインナップから外され、販売期間はわずか2年だけで、いまではかなりレアなモデルです。
なお、初代インプレッサ スポーツワゴンには、限定車として「STiバージョン」が設定され、後にカタログモデルになっています。
●三菱「ランサーエボリューションワゴン GT」
前述のインプレッサと同時期である1992年に登場した三菱「ランサーエボリューション」は、モータースポーツで勝つことを目的に開発された高性能セダンです。
ライバルのインプレッサ WRXと世界ラリー選手権を競い合ったことで、両車とも短期間のうちに性能向上を繰り返すという、いまでは考えられないほどハイペースな開発合戦が繰り広げられました。
一方で、ランサーエボリューションはセダン専用車だったことから、インプレッサに対抗するため、2005年に、第3世代の「ランサーエボリューションIX」のシャシと「ランサーワゴン」のボディパネルを融合させた「ランサーエボリューションワゴン」を発売。
搭載されたエンジンは2リッター直列4気筒ターボで、6速MT仕様の「GT」は最高出力280馬力を発揮。駆動方式も当然フルタイム4WDを採用し、セダンに比べ若干の重量増となっていたものの、高い走行性能を誇りました。
また、5速ATを搭載した「GT-A」が設定され、イージードライブも可能な高性能ステーションワゴンとして、ユーザー層を広げます。
2006年にはさらに進化した「ランサーエボリューションワゴン MR」が登場しましたが、2007年にすべてを一新した「ランサーエボリューションX」が登場すると、ステーションワゴンは廃止。
ランサーエボリューションワゴンの生産期間はわずか2年という、今では希少なモデルです。
※ ※ ※
今回、紹介したモデル以外でも、トヨタ「マークIIブリット」や「カルディナGT-FOUR」など、高性能な国産ステーションワゴンが存在しましたが、やはり廃止されてしまいました。
もはや、高性能ステーションワゴンの復権は難しい状況ですが、現行モデルではトヨタ「カローラツーリング」に1.2リッターながらターボエンジンが設定されており、スバル新型「レヴォーグ」も、1.8リッターにダウンサイジングされたものの、ターボエンジンを搭載しています。
どちらも、往年の高性能モデルほどのパワーではありませんが、今後に期待できるといっていいでしょう。
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