セダンの黄金期を彩った名車に迷車もあり? 平成初期に誕生したセダン5選

近年、人気低迷が続いているセダンは、ラインナップの減少が続いています。欧米では一定の需要をキープしていますが、それでもセダン市場から撤退したメーカーがあるくらいです。国内でも同様の状況ですが、かつて、セダンが人気を博していた時代もありました。そこで、セダンの黄金期といえる平成初期に登場したモデルを、5車種ピックアップして紹介します。

市場を席巻していた頃のセダンを振り返る

 現在、日本の自動車市場では、ファミリーカーとしてミニバンや軽ハイトワゴンが定番車種となり、SUV人気も急上昇中です。そのため、セダンやクーペといったモデルは急激に数を減らし、ラインナップから撤退したメーカーもあります。

個性派ぞろい!? 平成初期に誕生した珠玉のセダンたち
個性派ぞろい!? 平成初期に誕生した珠玉のセダンたち

 なかでもセダンはミニバン登場以前にファミリーカーとしても使われ、パーソナルカーやビジネスカーとしても人気があり、平成の時代には隆盛を極めていました。

 そこで、セダンの黄金期といえる平成初期に登場したモデルを、5車種ピックアップして紹介します。

●日産「プリメーラ」

優れたハンドリングとシックな外観が高く評価された「プリメーラ」
優れたハンドリングとシックな外観が高く評価された「プリメーラ」

 日産は1980年代の終わりに『1990年までに世界No.1の動性能を実現』という開発目標を掲げ、これを「901活動」と名付けてプロジェクトを進めた結果、平成元年前後には数多くの名車が誕生しました。

 そのなかの1台が、欧州市場をターゲットとしたセダンの初代「プリメーラ」です。

 初代プリメーラは1990年に発売された小型FFセダンで、優れたハンドリングと快適性や使い勝手の良さを高い次元でバランスさせることをコンセプトに開発。

 外観は当時としてもオーソドックスなセダンをイメージさせる奇をてらわないデザインでしたが、派手すぎず飽きがこない絶妙なバランスで、国内外で高く評価されました。

 搭載されたエンジンはトップグレードに、最高出力150馬力を発揮するパワフルな2リッター直列4気筒自然吸気の「SR20DE型」を採用。トランスミッションは5速MTと4速ATを設定しました。

 初代プリメーラ最大の特徴であるハンドリングは、前輪にマルチリンク、後輪にパラレルリンクストラットの4輪独立懸架によって実現。

 さらに、広い室内空間と大容量のトランクなど、まさに正統派セダンといっていい仕上がりでした。

 初代プリメーラは日本と欧州でヒットを記録し、その後、1995年に2代目が、2001年には3代目が、初代のコンセプトを受け継いで登場しましたが、セダン人気の低迷から2005年に生産を終了し、プリメーラは消滅してしまいました。

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●スバル「レガシィ」

高い動力性能と道を選ばない走破性で大ヒットを記録した「レガシィ」
高い動力性能と道を選ばない走破性で大ヒットを記録した「レガシィ」

 現在、スバルのラインナップで辛うじて残っているセダンは「インプレッサ G4」のみですが、平成の初期には「レオーネ」に加え、一時代を築いた「レガシィ」が販売されていました。

 レオーネは乗用車タイプの4WD車という新たなジャンルを開拓しましたが、1980年代にはライバル車に対して旧態然とした設計ですでに時代遅れになっており、スバルは1989年にすべてを新開発した初代レガシィを発売。

 ボディタイプはセダンとステーションワゴンの「ツーリングワゴン」を設定して、トップグレードには200馬力を誇る2リッター水平対向4気筒ターボエンジン「EJ20型」を搭載、フルタイム4WDの駆動方式が組み合わされ、高速走行から雪道まで安定した走りのオールラウンダーとして大ヒットを記録しました。

 セダンの外観は直線基調ながらも低いスラントノーズを採用し、欧州車をイメージさせる6ライトウインドウのキャビンと相まって、スポーティかつスタイリッシュに仕立てられています。

 また、高性能さをアピールするために、デビュー直前には連続速度記録を樹立し、世界ラリー選手権にも参戦。このイメージ戦略はスバルブランドのイメージアップにも繋がりました。

 初代レガシィによってスバルのクルマづくりの考え方は大きく変わり、現在も受け継がれています。

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●ホンダ「アスコットイノーバ」

斬新なクーペスタイルを取り入れるもヒット作にはならなかった「アスコットイノーバ」
斬新なクーペスタイルを取り入れるもヒット作にはならなかった「アスコットイノーバ」

 かつて、ホンダのセダンラインナップは、フラッグシップの「レジェンド」、ミドルクラスの「アコード」、小型モデルの「シビック」を主力として構成されていました。

 これらに加え、「インスパイア/ビガー」、「アスコット/ラファーガ」、「インテグラ」、「ドマーニ」など、セダンラインナップを幅広く展開。

 そして、1992年に発売されたのが異端ともいえるスポーティセダン「アスコットイノーバ」です。

 アスコットイノーバは、アコードの姉妹車である初代アスコットに対して派生車として開発されました。

 ボディサイズは全長4670mm×全幅1695mm×全高1380mm(2リッターエンジン車)と、アスコットに準じたミドルクラスでしたが外観のデザインはまったく異なり、Cピラーの傾斜を寝かしたクーペスタイルの流麗なフォルムを採用。

 フロントフェイスも重厚感があるアスコットに対して、4代目「プレリュード」をイメージさせるスポーティな意匠となっています。

 搭載されたエンジンは2リッター直列4気筒SOHCとDOHC、2.3リッター直列4気筒DOHCの3種類で、2.3リッターでは165馬力を発揮。
 
 足まわりは当時のホンダ車が広く採用していた4輪ダブルウィッシュボーンとするなど、優れたハンドリングも実現していました。

 アコードよりもスポーツ志向だったアスコットイノーバですがヒット作とはいえず、アスコットが2代目にフルモデルチェンジした後も継続して販売していましたが、1996年に一代限りで生産を終えました。

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