セダンの黄金期を彩った名車に迷車もあり? 平成初期に誕生したセダン5選

とにかく走りを重視したモデルと、3ナンバー車人気をけん引したモデルとは

●トヨタ「アリスト」

大出力のツインターボエンジンを搭載し、迫力ある加速で多くの人を魅了した「アリスト」
大出力のツインターボエンジンを搭載し、迫力ある加速で多くの人を魅了した「アリスト」

 1989年に登場した初代「セルシオ」や、シリーズ最大のヒット作となった8代目「クラウン」、ブームにもなった「マークII」3兄弟など、バブル景気に湧いた昭和の終わりから平成にかけて、トヨタは順風満帆といえました。

 そこで、トヨタはそれまでと異なるコンセプトの高級セダン、初代「アリスト」を1991年に発売。

 アリストはセルシオと同じく北米のレクサスブランドでの販売も視野に入れて開発され、静粛性や乗り心地を重視したセルシオに対して、走行性能を追求して開発されました。

 外観のデザインは巨匠ジウジアーロが主宰するイタルデザインの手によるもので、空力性能を追求したロー&ワイドを強調するフォルムによって、見るからに高性能さをアピールします。

 エンジンは全グレードとも3リッター直列6気筒で、トップグレードの「3.0V」には最高出力280馬力を誇るツインターボ「2JZ-GTE型」を搭載。遅れて登場した「A80型 スープラ」にも同じエンジンが搭載されたことで、後にアリストは「スープラセダン」の異名で呼ばれました。

 足まわりには4輪ダブルウィッシュボーンを採用し、ダンパーの減衰力を電子制御する「ピエゾTEMS」、トルセンLSDなどをグレードに応じて設定することで、スポーティな高級車にふさわしい優れた操縦性や直進安定性、快適な乗り心地を実現。

 1992年にはセルシオに搭載されていた4リッターV型8気筒エンジンとフルタイム4WDが組み合わされた「4.0Z i-Four」も加わりましたが、やはりアリストの魅力はターボエンジンによる暴力的な加速力で、多くのユーザーを虜にしました。

 1997年には初代のコンセプトを受け継いだ2代目が登場し、2005年にレクサス「GS」へと変わりましたが、2020年にGSは生産を終了し、歴史に幕を閉じました。

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●三菱「ディアマンテ」

スタイリッシュな3ナンバー専用ボディで一躍人気車となった「ディアマンテ」
スタイリッシュな3ナンバー専用ボディで一躍人気車となった「ディアマンテ」

 1987年に三菱は新時代のセダンとして6代目「ギャラン」を発売。高性能4WDモデルの「VR-4」をラインナップするなど、ギャランのイメージを一新してヒット作となりました。

 そして、好景気に突入していた時代背景から上流志向が強まった市場に応えるかたちで、1990年にギャランの上位に位置するセダンの「ディアマンテ」が登場。

 折しも自動車税の改正から3ナンバー車が普及し始めており、ディアマンテは同社初の3ナンバー専用ボディを採用しました。

 外観は逆スラントノーズのフロントフェイスによって精悍な印象で、ギャランのイメージを昇華させたスポーティなルックスが高く評価され、比較的安価な価格と相まって若い世代からも人気を博します。

 エンジンは全グレードともV型6気筒自然吸気を搭載して、排気量は2リッター、2.5リッター、3リッターの3タイプを展開し、3リッター車では最高出力210馬力を発揮。

 駆動方式はFFに加えてクラス初のフルタイム4WDをラインナップし、トラクションコントロール、4WS(4輪操舵システム)、アクティブコントロールサスペンションを設定するなど、走行性能も高められています。

 ディアマンテは1990-1991日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得しただけでなく、1990年のグッドデザイン賞を受賞するなど、名実ともに優れたセダンとして認められました。

 その後、1995年に2代目にフルモデルチェンジし、より洗練されたミドルクラスセダンとなりましたが、2005年に生産を終了し、後継車はありませんでした。

 なお、三菱の国内向けラインナップでは、すでにセダンは消滅しています。

※ ※ ※

 セダンのラインナップは今も減少傾向にありますが、なかでも2020年に「レガシィB4」が国内販売を終えたのは衝撃的な出来事でした。

 前述のとおり初代レガシィといえばスバルのクルマづくりを変え、一世を風靡したモデルです。しかし、2014年にレガシィ ツーリングワゴンの国内販売が終了し、レガシィB4も消えてしまいました。

 ニーズの変化による販売台数の低迷は避けられず、あれほど人気があったレガシィでも消える運命にあったことは、受け入れなければならないのでしょう。

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