雪国でEVは敬遠されがち? 立ち往生で電欠も!? EVは冬が要注意なワケとは
2021年の冬は雪が多く、クルマが長時間立ち往生する事案が発生しています。このような事態に遭遇すると、走行もヒーターもバッテリーでまかなう電気自動車が電欠になる恐れがあり、注意が必要です。
バッテリーは寒さに弱いってホント?
2021年の冬は雪が多く、場所によっては記録的な大雪となって、高速道路で多数のクルマが立ち往生するという事態が起こっています。
そうなると気になるのが、クルマのバッテリーです。ただでさえ寒さに弱いバッテリーが長時間酷使される状況が続き、「バッテリー上がり」を起こすクルマも増えそうです。

とくに電気自動車(EV)は、駆動系だけでなくヒーターまで電力でまかなっており、バッテリーにとってさらに厳しい状況が予想されます。
悪天候による高速道路の立ち往生は例年以上に頻発していますが、そんな状況にEVが巻き込まれたら、最悪の場合、電欠を起こして動けなくなるということになりそうです。
もともとバッテリーの最大の欠点は、夏の暑さや冬の寒さといった温度変化に弱いことだといわれています。
外気温が下がりすぎるとバッテリーの性能が低下してフルに性能を発揮できないばかりか、予想以上に電力消費速度も早くなり、渋滞で立ち往生しているときにEVでヒーターを全開にし続けると、早ければ数時間で電欠してしまうといいます。
このように渋滞にハマってしまったとき、EVにとってさらに厄介なのが、まだ充電スポットが少ないというインフラの問題です。
ここ数年で充電スポットが増えており、高速道路のSAやPA、コンビニ、スーパーなどにも設置されはじめ、現在では全国で1万8000か所以上のスポットとなりました。
しかし急速充電器の数は1か所に1基、多いところでも2基といったところ。また内燃エンジンの場合、燃料給油は5分から10分もあれば終わりますが、EVは急速充電器でも30分は充電する必要があります。
さらに、EVだけでなく、最近はプラグインハイブリッド車(PHEV)も増えていることもあり、充電の順番待ちのクルマが並んでしまうケースも発生。走り出すまでに、かなりの時間を費やさなければいけません。
また、EVが電欠したときにJAFなどのロードサービスに救援を要請しても、到着までに時間がかかりますし、そもそもロードサービスの車両が到着できたとしても、充電スポットまでけん引していくことになり、救援を待っている間にEVは完全に止まってしまうわけです。
雪の少ない地域に住んでいる人にとっては影響が少ないかもしれませんが、実際に雪の多い地域ではEVは敬遠されるようです。
北関東のディーラー系セールスマンは、次のようにいいます。
「EVにお乗りのお客さまが来店されたのですが、雪の多い山形県に転勤することになり、周囲からEVではとてもじゃないけど冬が越せないといわれてクルマを手放した事例があります。
クルマを販売する我々としましても、EVの維持が難しい地域のお客さまには、ガソリンも使用できるハイブリッド車をおすすめしております」
また長野県のスキー場で働くスタッフは、スキー場の駐車場で「バッテリー上がり」で動けなくなるクルマが必ず数台はいると話します。
内燃エンジン車なら補機バッテリーにジャンプブースターを繋げばエンジンを再始動できますが、電欠したEVの場合はなすすべがないといいます。
「ウチのスキー場では深夜に到着し駐車場でひと晩過ごされる人も多いのですが、 もしEVが電欠してしまったら、お客さま自身でロードサービスを呼んでいただき、充電スポットまでけん引してもらうしか方法がありません。
あくまで個人の見解ですが、ウインタースポーツをやる人はEVは避けたほうがいいと思います」








































