ヒットしなかったけどカッコイイ? 振り返ると意外とイケてた車5選

クーペ全盛期を彩った2台のモデルとは!?

●スバル「レオーネRX/II」

直線基調ながらもイメージを覆す洗練したスタイルの「レオーネRX/II」
直線基調ながらもイメージを覆す洗練したスタイルの「レオーネRX/II」

 日本初の小型FF乗用車として、そしてスバル初の水平対向エンジンを搭載して1966年に発売されたのが「スバル1000」です。

 その系譜を受け継ぎ、1971年にデビューしたスバル「レオーネ」は、悪路だけでなく舗装路での走りにも4WDが有効であると証明した初の量産国産車であり、スバルが提唱する「シンメトリカルAWD」の原点といえるクルマです。

 ボディはセダンを基本として、2ドアクーペ、ライトバンをラインナップして代を重ね、1984年には4ドアセダンが3代目にモデルチェンジされ、当時の流行を取り入れた直線基調のシャープな外観となり、1985年に、スタイリッシュな3ドアハッチバッククーペの「レオーネクーペ」が追加されました。

 さらに、1986年には135馬力(グロス)を発揮する1.8リッター水平対向4気筒ターボエンジンと、スバル初のフルタイム4WDシステムを搭載する「レオーネRX/II」が登場。

 前後駆動力配分は50:50で、低重心の水平対向エンジンと強化された専用サスペンションとの組み合わせで、高いコーナーリング性能を実現していました。

 外観ではフロントスポイラーやリアスポイラー、サイドステップなど、ボディ全周にわたってエアロパーツが標準装備されており、アグレッシブな外観を演出しています。

 しかし、レオーネは基本設計の古さが否めず、1989年に後継車の初代「レガシィ」が登場。1992年までレオーネセダンを併売していましたが、クーペやステーションワゴンはレガシィのデビューと同時に生産を終了しました。

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●トヨタ「カレン」

抑揚のあるエレガントなスタイルが印象的なクーペ「カレン」
抑揚のあるエレガントなスタイルが印象的なクーペ「カレン」

 現在、国内メーカーのラインナップで、極端に減少してしまったのが2ドアクーペです。大型かつ高級なモデルは一定の需要があるため生き残っていますが、コンパクトなモデルはトヨタ「86」、スバル「BRZ」くらいとなり、フルモデルチェンジを控えているためすでにBRZの生産は終了しています。

 一方で、1980年代から1990年代にかけてコンパクトな2ドアクーペは数多く存在し、トヨタは「カローラレビン/スプリンタートレノ」を代表に、複数のモデルをラインナップ。

 なかでもスタイリッシュなクーペの1台が、1994年に登場した「カレン」です。

 カレンは海外向けに設定された6代目「セリカ」の2ドアクーペをベースに開発されたモデルで、フロントフェイスを専用のデザインに変更。

 薄型のコンビネーションランプとフロントグリルによる低いフロントノーズと、3代目「ソアラ」を彷彿とさせるエレガントなシルエットのボディと相まって、美しいフォルムに仕立てられています。

 発売当初、搭載されたエンジンは2リッターのみで、トップグレードには最高出力180馬力を発揮する直列4気筒自然吸気の「3S-GE型」を設定。セリカと異なりターボエンジンの搭載は見送られ、やみくもにパワーを追求するキャラクターではなく、走りもエレガントさを重視していました。

 足まわりには4輪操舵や高性能な「スーパー・ストラット・サスペンション」が設定されるなど、優れたハンドリングも実現。

 随所にこだわりをもってつくられたカレンですが、クーペ人気の低迷を受け、フルモデルチェンジされることなく1999年に一代限りで生産を終了。現在は中古車でも滅多にお目にかかれない、非常にレアなクルマです。

※ ※ ※

 クルマの販売台数を左右する要因として、いかにユーザーニーズを捉えるかということも非常に重要です。

 実際に出る時期が早すぎたと思えるクルマもあり、もう少し後に出たならもっと売れていたかもしれませんが、こればかりは結果論のため検証はできません。

 各自動車メーカーは入念なリサーチによって、5年後、10年後を見据えた新型車の企画・開発をおこなっていますが、ニーズの変化を完全に予想することは難しいということでしょう。

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1件のコメント

  1. 私もそうですがトヨタに洗脳されて他社の良い車を散々見逃してしまいました。
    ランサーセディアなんて明らかにカローラより上質だったしトヨタ18番の剛性の分配もトヨタより格上でしたしね。
    販売台数と馬力では量れない語りかけは比べないと分からないですね。

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