パッと見はキワモノだけど実は大真面目!? ブランドイメージと異なる珍車5選
一代限りで消えた2台のスポーツユーティリティトラックとは
●メルセデス・ベンツ「Xクラス」
メルセデス・ベンツは世界的にもプレミアムブランドとしての地位を確立していますが、バンや大型トラックといった商用車の生産にも力を入れています。
そして2018年にメルセデス・ベンツ初のミドルサイズ・ピックアップトラックの「Xクラス」が発売されました。
同社がラインナップする初のダブルキャブ・ピックアップトラックであるXクラスは、日産のピックアップトラック「NP300 ナバラ」がベースで、当時、ルノー・日産アライアンスと共同開発というカタチで誕生。
内外装にはメルセデス・ベンツ流のデザインが反映され、「スリーポインテッドスター」を掲げるフロントフェイスの採用や、インパネまわりも独自にデザインされ、ピックアップトラックでありながら高級感を演出しています。
搭載されたエンジンは2.3リッター直列4気筒ディーゼルターボ、2.3リッター直列4気筒ディーゼルツインターボ、3リッターV型6気筒ディーゼルターボの3種類で、一部地域ではガソリンエンジンも設定。
駆動方式は4WDと2WDがあり、純粋に荷物を運ぶ商用車として使われる「ワークメイト」も用意されました。
デビュー当初からXクラスはピックアップトラック人気が高いアメリカでの販売は想定しておらず、欧州やオーストラリア、南米などの地域に限られていました。そのせいか販売的には失敗に終わり、発売からわずか2年ほどの2020年に生産を終えてしまいました。
●スバル「バハ」
前述のとおり、アメリカでは古くからピックアップトラックの需要が高く、仕事で使うだけでなく乗用車のような使われ方や、レジャー用としても人気があります。
そうした背景から1970年代の初頭、スバルのアメリカ法人は日本の本社に向けて、小型ピックアップトラックの開発をリクエストし、1977年に初代「レオーネ4WD」をベースにしたピックアップトラック「ブラット」が発売されました。
スタイリッシュな外観とレオーネで実績を積んでいた悪路走破性の高さから、若者を中心にヒットしましたが、アメリカでは1987年に販売終了となり、スバルのラインナップからピックアップトラックが消滅してしまいました。
そして、2003年に「レガシィ ランカスター(北米では「アウトバック」)」をベースにした、ダブルキャブのピックアップトラック「BAJA(バハ)」を発売し、再びピックアップトラック市場へと復帰。
バハはアウトバックの荷室部分を荷台(ベッド)に作り変える手法で生産され、外観では専用デザインの前後バンパーにオーバーフェンダー、サイドプロテクターが装着され、SUT(スポーツユーティリティトラック)のイメージを強調しています。
搭載されたエンジンは当初、2.5リッター水平対向4気筒自然吸気のみでしたが、2004年に217馬力を誇る2.5リッター水平対向4気筒ターボを追加し、トランスミッションは5速MTと4速ATを設定し、駆動方式はAWDのみです。
バハはスタイリッシュなボディとパワフルなエンジンを搭載したピックアップトラックとして、マリンスポーツやアウトドアレジャーの愛好家から人気となりましたが、より大型のミドルサイズ、フルサイズピックアップトラックほどの需要はなく、2006年に生産を終了。
これ以降、スバルのラインナップにピックアップトラックは設定されていません。
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SUV人気の世界的な高まりから、前出のウルスだけでなく、マセラティ「レバンテ」やロールスロイス「カリナン」、ベントレー「ベンテイガ」など、それまでSUVをラインナップしていなかった高級車メーカーが次々と市場に参画するようになりました。
その先駆けといえるのがポルシェ「カイエン」で、発売当初は生粋のスポーツカーメーカーであるポルシェがSUVを出したことに、否定的な意見が数多く見られたほどです。
しかし、カイエンは市場に受け入れられてヒットし、その後、エントリーモデルのSUV「マカン」や、エグゼクティブサルーンの「パナメーラ」もヒットするなど、ポルシェのブランドイメージ改革は成功したといえます。
ブランドイメージは時として強力な武器になりますが、一歩間違えると存亡の危機を招きかねませんから、ポルシェの成功は稀有な例でしょう。
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