ホンダ新型「ヴェゼル」2021年春発売! トヨタ勢に「待った!」で小型SUV市場の影響は?

なぜヴェゼルは人気No.1になれたのか?

 では、現行ヴェゼルはコンパクトSUV第一世代において、なぜ4度のSUV販売No.1を獲得出来たのでしょうか。

 現行ヴェゼルは、全長4330mm×全幅1770mm×全高1605mmというボディサイズですが、当時のライバルだったC-HRやジューク、CX-3では後席や荷室空間がお世辞にも広いとはいえず、後席を利用するユーザーや荷物の多いファミリー層などから支持されました。

 実際に現行ヴェゼルのオーナーからは「見た目的にはスタイリッシュなC-HRと悩んだけど、後席の居住性でヴェゼルを選んだ」「ほかのコンパクトSUVより後席の頭上空間に余裕があったのがよかった」といった声が見受けられます。

 また、走行性能に関して最大のライバルとなるC-HRは元々世界一過酷なサーキットといわれるニュルブルクリンクでのテストを重ねるなどスポーツカーさながらの走行性能を求めて開発されていたこともあり、走りを気にするユーザーからはC-HRが好評でした。

 そこで、ヴェゼルでは2019年1月にターボ車となる「TOURING・Honda SENSING」を追加設定し、ボディ剛性の向上や専用ダンパーなどが採用されています。

2019年1月に追加されたターボ車となる「TOURING・Honda SENSING」
2019年1月に追加されたターボ車となる「TOURING・Honda SENSING」

 追加されたターボ車について、ヴェゼルの担当者は次のように説明しています。

「ヴェゼルは、発売してから5年ほど経ち、モデル末期といえる時期でした。

 さらに、販売を維持するのと今までできなかったことを底上げするということで、『上質とスポーツ』というポイントから新たなエンジンを追加することになりました。また、上質という面でも静粛性の向上や内装の質感アップをおこなっています」

 こうした販売面でのテコ入れもあって、2019年には僅差ながらもC-HRから首位の座を奪還したのです。

※ ※ ※

 そして、2021年春に発売されるという新型ヴェゼルでは、先行公開された画像でわかるようにe:HEVのエンブレムが装着され、2モーターハイブリッドシステムが搭載されるようです。

 現行ヴェゼルでは、1モーターハイブリッドシステムとなるi-DCDが搭載されていたことから、新型ヴェゼルではハイブリッド車の性能が大幅に向上することが期待されています。

 今後、新型ヴェゼルが登場することですでに激戦区となるコンパクトSUV市場がどのような変化を見せるのかに注目が集まります。

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