なぜ日産にはカスタムカーブランドが2つ存在? NISMOとAUTECHの違いとは
「ピュアスポーツ」のNISMOと「プレミアムスポーティ」のAUTECH
さらに2017年には「NISMOロードカー事業」の拡大が発表。NISMOロードカーの基本コンセプトはそのままに、開発するための組織が大きく変わりました。
具体的にはこれまでNISMOロードカーの企画は日産自動車にある「NISMOビジネスオフィス」が担当。
開発は車種によって、日産/オーテックジャパン/NISMOとまちまちでしたが、企画・開発・マーケティング・アフターセールスに関わる機能(NISMOロードカー事業部)がオーテックジャパン内に設立されています。
日産、オーテックジャパン、NISMO、そのほかの日産グループの人材が集結した組織になり、これまで以上に意思決定や開発もスピーディにおこなうことが可能になったといいます。
これに伴い車種バリエーションは現在の2倍以上、販売台数も大きく引き上げる計画を立てています。
それと同時にオーテックジャパンのコンプリートカーブランドも再編成され、ライダーやモードプレミア、ボレロとモデル毎にバラバラだったサブブランドが「AUTECH」に集約されました。
それぞれのコンセプトは、NISMOがモータースポーツ直系の「ピュアスポーツ」であるに対して、AUTECHはクラフトマンシップを感じさせる「プレミアムスポーティ」です。
AUTECHは、2000年に登場した「セフィーロ オーテック」を皮切りにアクシスやモードプレミアなど、プレミアム性を引き上げたモデルの末裔もいえる存在で、そのキャラクターをより明確にしたモデルといってもいいかもしれません。
ちなみにグローバル展開されるNISMOに対して、AUTECHは国内専用ブランドになります。
2018年のセレナAUTECHを皮切りに、ノートAUTECH、エクストレイルAUTECH、リーフAUTECH、ルークスAUTECH、エルグランドAUTECH、キックスAUTECHと日産の国内市場で重要なモデルを中心にラインナップされています。
このように日産のサブブランドとなるファクトリーカスタムをNISMO/AUTECHの「2トップ体制」にすることで、より多様化したユーザーを獲得できるというわけです。
2021年には、NISMO/AUTECHともに新たなモデルが追加される予定だといいます。一体どんなモデルが登場するのか、楽しみに待ちたいと思います。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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