ロゴマークは飛行機のプロペラ!? ドイツの高級車メーカー BMWの壮大な歴史とは

1シリーズから8シリーズ、X1からX7まで揃ったBMWラインナップ

 現在、基本のセダンは3、5、7という奇数シリーズで、偶数はクーペスタイルのモデルにネーミングされる。今では1、2、3、4、5、6、7、8と、順に揃っている。

2020年3月4日に公開された、新しいBMWコミュニケーションロゴ
2020年3月4日に公開された、新しいBMWコミュニケーションロゴ

 「Z1」「Z3」「Z4」「Z8」など、アタマにZとネーミングされるモデルは、スペシャルティカーとして分類される。現在はZ4しかないが、それらはどれも2シーターである。

 1999年に登場したのは「X5」である。いまではこのXシリーズは、「X1」「X2」「X3」「X4」「X5」「X6」「X7」まで揃っているが、これらは一般的にはSUVと呼ばれるモデル群である。

 ただしSUVとは呼ばず、BMWらしく奇数はSAV(スポーツアクティビティビークル)、偶数は乗用車と同じクーペスタイルでSAC(スポーツアクティビティクーペ)という呼び方をしている。

 BMWは基本的に後輪駆動(FR)を基本としているが、現行型の「1シリーズ」「2シリーズ」「X1」「X2」などは、横置きエンジンの前輪駆動(FF)がベースになっている。

 BMWの後輪駆動は、前後の重量配分が50:50になるようにデザインされている。フロントアクスルを前方にレイアウトし、エンジンは車室に近いところに押し込み、重いバッテリーはトランク内に置くなど、重量配分を50:50にすることにコストをかけている。

 これは走りの基本ポテンシャルを引き上げるためだ。グリップ力の特性を考えると、これが一番タイヤの性能を引き出せるからだ。4代目の3シリーズ(E46)以降、FRベースのBMWは、前後重量配分がほぼ50:50になっている。

 BMW AGの100%子会社で「BMW M GmbH(有限会社)」では、BMWのスポーツモデルをプロデュースしている。

 1972年に「BMWモータースポーツ社」として誕生したが、1993年8月1日にBMW M社に変わった。それはモータースポーツ部門を切り離して、Mモデルをプロデュースすること、インディビジュアルと呼ぶオーダーメイドに応えること、BMWドライビングエクスペリエンスを開催すること、防弾ガラスを備えた特殊車両などの製作を受け持つことになった。

 BMW M社にはデザイナーもいてインテリア、エクステリアデザインをしたり、エンジン担当はMモデル専用エンジンを製作したり、本体のBMWではできないことを小規模な組織を生かして活動している。

1978年に登場したスーパーカー、BMW「M1」
1978年に登場したスーパーカー、BMW「M1」

 スーパースポーツカー「M1」は1978年に誕生した。次のMモデルは、3シリーズ2ドアをブリスターフェンダーにして4気筒2.3リッターエンジンを搭載し、「M3」として1986年に登場した。

 今では「M2」「M3」「M4」「M5」「M8」「X5M」「X6M」が揃い、「サーキットを走るマシンで一般道も走れる」をコンセプトとしてそのイメージは定着している。これらは「Mハイ・パフォーマンス・モデル」と呼ばれる。

 通常のBMWとMモデルの中間に位置するスポーティカーとして「Mパフォーマンスモデル」も人気が高い。「M760Li」「X3M40d」など、各シリーズに用意されている。

 BMWグループにはMINIやロールスロイスも含まれるが、BMWファミリーの一員としてアルピナも忘れてはならない。

 BMW AGとは資本関係がない独立した「アルピナ・ブルカルト・ボーフェンジーペン社」で製作しているモデルは、基本骨格はBMW車を使っているが、アルピナ独自のサスペンション設定、アルピナ独自のエンジンセッティングをしている。

 マイスターと呼ばれる技術者がひとりでエンジンをゼロから組み立てる。BMWとの技術提携はかなり深く、新しいモデルの開発当初からアルピナは一緒に開発を始めている。

 アルピナはMモデルと似たようなエンジン性能だからライバルのように見えるが、あくまでもエレガントに乗り、快適に移動できることに主眼を置いてつくられている。

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