高性能モデルはなぜ必要? VW最強ホットハッチ「ゴルフR」に乗って考えた

4WDだからこその重厚感ある走り

 走りのキャラクターは、じつにわかりやすく高い性能が表現されていて、「4WDだからこそ」できたことがいくつもある。

VW「ゴルフR」のインパネ。12.3インチ大型ディスプレイのデジタルメーター「アクティブインフォディスプレイ」を標準装備
VW「ゴルフR」のインパネ。12.3インチ大型ディスプレイのデジタルメーター「アクティブインフォディスプレイ」を標準装備

 駆動力を4輪に分散させる4WDだからこそ、ゴルフGTIがホイールスピンを避けて発進を抑えているのに対し、ゴルフRは最初の蹴り出しが力強い。

 巡行時の安定感と安心感も4WDだからこそ。第2世代に進化した「DCC」と専用のスポーツサスペンションを組み合わせた足まわりは、路面に吸い付くかのように常に4輪がしなやかに捉える。こうしたクルマとしては望外なほど快適性に優れ、不快な硬さを感じさせない足さばきの巧みさには感心するほかない。

 コーナリングでも、ターンインから立ち上がりまで、4WDだからこそ回頭性を高めてハンドリングをニュートラルステアに近づけることができている。これには基本素性として持つアンダーステアを払拭すべく搭載された、電子制御式ディファレンシャルロックの「XDS」も効いているに違いない。

 最高出力が310psもあるのだから、動力性能がもの足りないわけはない。

 さすがは0-100km/h加速タイムが4.9秒と、5秒を切るだけのことはある。全域でゴルフGTIよりもパワフルなエンジンはレブリミット6500rpmまで痛快に吹け上がり、サウンドジェネレーターによる音の演出もある。

 ゴルフGTIが高性能ななかにも軽快さを感じさせるのに対し、ゴルフRの走りには重厚感があり、いかにも高性能なクルマを操っているという感覚をドライブしている間ずっと感じる。いたってジェントルにして、ハイパフォーマンス。そつなくすべてがまとめられているあたりも、いかにもVWらしい。

* * *

 環境問題が取り沙汰される一方で、欧州の多くのメーカーがCセグメントの高性能モデルをラインアップしているのは、こうしたクルマの市場がけっして小さくないからにほかならない。まもなく日本でもフルモデルチェンジが予定される新型ゴルフをベースにした最高性能版も、さらなる高みへと達することに違いない。

 おそらく、今後はめったに乗る機会がなくなるであろうこのタイミングで、あらためてドライブすることのできた2代目ゴルフR。その実力と完成度の高さを再確認させるとともに、次期型への期待を大きく膨らませるものをヒシヒシと感じさせるのだった。

VW「ゴルフR」
VW「ゴルフR」

Volkswagen Golf R

・車両価格(消費税込):590万9000円
・全長:4275mm
・全幅:1800mm
・全高:1465mm
・ホイールベース:2635mm
・車両重量:1510kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
・排気量:1984cc
・駆動方式:4WD
・変速機:7速DSG(DCT)
・最高出力:310ps/5000-6500rpm
・最大トルク:400Nm/2000-5400rpm
・タイヤサイズ前後:225/40R18

フォルクスワーゲン・ゴルフ のカタログ情報を見る

【画像】310馬力で4WD!VWゴルフ最強モデル「R」を画像で見る(26枚)

【2023年最新】自動車保険満足度ランキングを見る

画像ギャラリー

1 2

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー