EVは「大衆車」になれる? インフラ整備で課題山積み 地方格差をどう縮める?
最大の課題であるインフラ、ここ10年はどうだった?
では、実際に充電インフラ設備は、初代リーフ発売時からこの10年でどれほど整ったのでしょうか。
全国の充電設備の情報を公開しているWebサイト「GoGoEV」を運営しているゴーゴーラボの担当者は次のように話します。
――この10年間で、充電スタンドは全国でどれほど増加したのでしょうか。
当サイト、GoGoEVを立あげたのがちょうど10年前で、三菱 i-MiEVや日産 リーフの一般販売が開始された時期です。
その当時、登録していた全国の急速充電設備(CHAdeMO充電器)は都道府県が補助金を使って設置を試みたもので、多い所でも十数件ほどで全国で100カ所あるかないかでした。
その後、販売店が積極的に設備投資したことや、自動車会社・電力会社などの各社が共同出資する形でNCS(日本充電サービス)を立ち上げたことと政府の補助金投入もあって、2014年以降急速に充電設備の設置が進み、2年間でCHAdeMO充電器は4000箇カ所から5000カ所ほどになったと記憶しております。
現在は、当サイトの掲載情報の通り設置箇所はCHAdeMO充電器が約7600カ所・普通(200V)充電器が約1万4000カ所となっております。
CHAdeMO充電器の規格は、この10年間で0からこの数まで設置されたもので、200Vの設備も一部流用されてものが当時からありましたが、僅かなものでしたので、上記数字が増加したものと思って頂いてよいかと思います。
――2030年までの10年間で、充電スタンドはどれほど普及するとみられているのでしょうか?
今後の見通しに関しては、正直難しい所が多々あります。
現在の新規設置の設備といえば、CHAdeMO充電器は海外自動車メーカーのディーラーへの設置・道の駅・高速道路のSAやPAに月、数十件程度となっており、一時期に比べれば鈍化したことは否めないです。
要因としては、設置コストや維持管理の問題などで、充電で採算が取れるかの問題があり、あくまでもサービスとしての提供に留まる現状では、大きく伸びるかは難しいのではと思います。
また、10年前に設置された設備の老朽化なども出ており、初期に設置されたものの、入替えないしは撤去がここのところ始まっております。
前述の通り、2015年前後に急速に増えた設備の更新がこの先にあり、補助金があったから設置したけど、今後のコストを考えると維持してゆく難しさがあるのではと思います。
一方で、世界の自動車のEV化への加速や、政府の脱炭素社会への方向性から、EVへ注力されるとなると、充電設備の拡充へもつながるものではとは思います。
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充電インフラ設備は、この10年でおよそ100倍近くも増加しているようでした。
意識しなければ気がつきませんが、着々とEVにまつわる設備は全国的に整ってきているようです。
しかし、その多くは未だ都心部に集中しており、地方部は発展途上である状況に変わりはありません。
また、設備の老朽化による修復にも費用がかかるため、10年という節目を迎えた2020年はインフラ整備の新たな課題を解決しなければならない状況のようです。
世界的な、自動車の電動化は進む一方ですが、果たして日本はどれほどEVを「大衆車」として広めることができるのでしょうか。
電気自動車は楽しみですが、ガラポンくじで車が当たっても維持費は当選者負担だからね、EVも準備が逆だから期間を圧したところで結局は民に負担がのし掛かるだけだしね。
何だか連結バスにしてもEVにしても単なる宣伝カーにしか思えないのはアタシだけかな?