EV災害時に役立つ印象も 大雪で立ち往生は想定外? 簡易充電が今後の課題か
大雪の影響で、2020年12月16日から18日の夜にかけて関越自動車道で多くのクルマが立ち往生するという事態が発生しました。もし、EVで同じ状況に遭遇してしまったら、ガソリン車よりも深刻なことになったのでしょうか。
大雪で立ち往生も、ガソリン車のおかげで救われた人も多い?
大雪の影響で、2020年12月16日から18日の夜にかけて関越道で多くのクルマが立ち往生するという事態が発生しました。
もし、電気自動車(以下、EV)で同じ状況に遭遇してしまったら、ガソリン車よりも深刻なことになったのでしょうか。

2020年12月16日、寒波の影響を受けて降り積もった雪の影響で、新潟県ではいたるところで立ち往生が発生しました。
なかでも深刻だったのが関越自動車道です。同日午後から、塩沢石打IC付近から六日町IC付近にかけて上下線でいわゆる「立ち往生」が発生し、そこから50時間以上経過した12月18日の22時15分まで解消しませんでした。
立ち往生に見舞われたクルマは2000台以上におよび、自衛隊による災害派遣もおこなわれるなど、近年まれに見る大雪によるクルマの災害です。
立ち往生中もしばらく雪が止むことはないなか、近くのサービスエリアまで徒歩で向かって食料の調達をしたり、用を足したりする人もいたなかで、死者が出ていないことは幸いだったといえます。
被災された人達は大変な思いをされたとは思いますが、生死に関わる事態にまでならなかった要因のひとつは、ほとんどのクルマがガソリン車であったことかもしれません。
クルマの暖房は、基本的にエンジンの熱を車内に流入させることで車内を暖める仕組みとなっています。
したがって、暖房をONにしても燃費にはほとんど影響がないとされています。
また、近年のクルマは車内の断熱性も高いため、外気温が氷点下であっても車内は暖房で得た暖かさを保持することが可能です。
さらに、近年は燃費性能も向上しているため、ある程度のガソリンがあれば、かなりの時間アイドリングをすることが可能です。また、エンジンがオーバーヒートすることもまずありません。
このように、2000台以上におよぶ立ち往生が発生したなかで、ガス欠や故障でエンジンが止まってしまい生死に関わるような事態となる人が皆無だった背景には、成熟したガソリン車の技術があったことは間違いありません。
一方、近年では世界中で「脱ガソリン車」の動きが進んでいます。
ガソリン車の新車販売を禁止することと、これからのクルマがすべてEV化するということは、必ずしもイコールではありません。
しかし、もし将来ほとんどのクルマがEVとなったときに、今回のような大雪による立ち往生に見舞われた場合には、どのような状況が予想されるのでしょうか。



































