トヨタ・三井住友など88社が参画 世界をリードする水素社会の推進協議会が設立へ

なぜトヨタは水素社会に注力するのか

 トヨタは、2020年10月6日に同社が研究・開発を進めている燃料電池に関してのリリースをふたつ公表しました。

 ひとつ目は、日本においてトヨタとJR東日本、日立は、水素を燃料とする燃料電池と蓄電池を電源とするハイブリッドシステムを搭載した試験車両を連携して開発することに合意したことです。

 この取り組みは、水素をエネルギー源とする革新的な鉄道車両を開発していくことで、地球温暖化防止やエネルギーの多様化などによる脱炭素社会の実現への貢献を目的としています。

 JR東日本は鉄道車両の設計・製造の技術、日立はJR東日本と共同で開発した鉄道用ハイブリッド駆動システムの技術も有しており、トヨタでは燃料電池自動車「MIRAI」や燃料電池バス「SORA」の開発で培った燃料電池の技術を有しています。

 この3社が持つ鉄道技術と自動車技術を融合し、自動車で実用化されている燃料電池を鉄道へ応用することで、自動車より大きな鉄道車両を駆動させるための高出力な制御を目指したハイブリッド車両(燃料電池)の試験車両を実現するものです。

トヨタが燃料電池車「ミライ」の技術を活かして新たな分野に参画する背景とは
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 ふたつ目は、北米市場における取り組みで、トヨタと日野が燃料電池大型トラックを共同で開発するというものです。

 この取り組みは、2020年3月に発表した日本国内向け燃料電池大型トラックの共同開発をさらに発展させるものとしており、北米市場での大型電動トラックへの関心の高まりを受け、同市場向けに、燃料電池で走行する大型トラックの開発を共同でおこなうものだといいます。

 トヨタ側のシニア・エグゼクティブ・エンジニアである横尾将士氏は今回の取り組みについて、次のように話しています。

「トヨタが20年以上にわたって開発してきた燃料電池技術と、日野の大型トラックに関する知見を組み合わせることで、革新的で競争力のある製品を生み出すことができるでしょう」

※ ※ ※

 燃料電池技術を鉄道事業で活路を広げる取り組みも展開するなど、トヨタは自動車産業に限らず水素社会の実現に注力していることがわかります。

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