GT-Rやシルビアだけじゃない! 海外で価格高騰する日本独自の車5選
ドラマで人気のクルマや働くクルマ「軽トラ」も海外で人気!
平成ABCトリオは日本が生んだマイクロスポーツカーともいえますが、海を渡って人気を誇るのはなにもスポーツカーだけではありません。
たとえば、トヨタ「センチュリー」や日産「セドリック/グロリア」といったビッグセダンをはじめ、三菱「デリカ」や日産「ラルゴ」といったミニバン、そしてトヨタ「RAV4」やいすゞ「ビッグホーン」といったSUVという言葉が生まれる前のRV車まで、幅広いモデルが輸出されているのです。
海外の日本車専門店のサイトを見ていると、1990年代の中古車情報誌を読んでいるかのような錯覚を覚えるほど。
25年ルールで考えると1995年までの車両なので当然なのですが、なにか不思議な感覚を覚えます。
●日産「フィガロ」
日本車専門店のなかでもひと際掲載台数が多かったのが、日産のパイクカーシリーズのひとつである日産「フィガロ」です。
1987年にリリースされた「Be-1」からスタートした日産のパイクカーシリーズは、1989年の「パオ」、1991年のフィガロと3車種が立て続けに販売されていました。
どれも初代「マーチ」がベースとなっていますが、最後発のフィガロのみ、マーチターボがベースとなっており、1リッターターボエンジンのみのラインナップとなっていました(ほかの2車種はNAエンジン)。
3車種ともマーチの面影は微塵も感じられない内外装を持っていますが、フィガロはサイド部分を残したままリアウインドウ部までが開閉可能なオープンモデル。
本革シートなどがおごられるなど、3車種のなかでも豪華な造りが魅力のモデルとなっています。
そんなフィガロはとある日本車専門店1軒で100台以上の在庫が存在し、安いものでは80万円ほどから、高いものでは400万円オーバーというプライスタグが付けられていました。
また、Be-1や「パオ」だけでなく、商用車の「エスカルゴ」や最後のパイクカーである「ラシーン」も店頭に並んでおり、ラインナップの幅広さには驚かされます。
●ダイハツ「ハイゼットトラック」
日本では働くクルマとしておなじみの軽トラックは、意外にも海外で人気を博しています。
ダイハツ「ハイゼット トラック」もそのひとつで、基本的には1994年まで販売されていた7代目モデルを中心に海外で販売されています。
アメリカでは、「軽トラック=小さいけど悪路もガンガン走れるクルマ」というイメージが強いことから、走破性の高い4WDモデルの需要が高いというのがその理由です。
なかには2020年式新車のハイゼットトラックも店頭に並ぶほど。
前述のようにアメリカでは25年ルールがあるのに、なぜ新車が輸出されているのかというと、車両を登録せずに広大な私有地でカート代わりに使用するユーザーや、リアルに働くクルマとして使うユーザーもいるからだそう。
そのため、ダンプタイプの軽トラックはとくに人気があるようです。
ほかにもオフロード専用車(OFF ROAD USE ONLY)や、LSV(LOW SPEED VEHICLE)として登録することで、走行時の制約はあるものの、25年ルール適用外の車両も合法的に登録ができるとされています。
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本格的なスポーツモデル以外にも、海外へ輸出されて人気となっている車種は数多く存在しています。
室内が狭い軽自動車やパイクカーに、大柄なアメリカ人が乗れるのか心配になってしまうところですが、動画共有サイトなどをチェックすると、狭い車内にギュウギュウになりながらも嬉しそうにドライブしているようなので問題なさそうです。
今回紹介した車種以外にも、日本では廃車にされてしまうであろう不人気車も存在しており、海外に渡ることで第二の人生(車生?)が送れるのであれば、クルマにとっても幸せなことなのかもしれません。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
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