トヨタ「GRヤリス」購入!? オーナーが語る魅力と気になる部分とは
実際のオーナーが気になった点はどこ?
その一方で、現状で困るほどではありませんが、「もう少し●●だったらいいのに」と思う部分もいくつかあります。
ひとつ目は「視界の悪さ」です。運転席から左前方を見るときにルームミラーとディスプレイオーディオが邪魔をするので上下方向が狭く見辛いです。
GRヤリスはノーマルのヤリスよりも全高が低く、フロントウィンドウも上下方向が短いのも原因のようです。
個人的にはリアの視界はそれほど気にならないのですが、ハッチバックなのにリアワイパーがないのは気になります。
開発者に聞いてみると「ウィンドウも上下方向に短いので、リアワイパーが物理的にレイアウトできません」といいます。
ふたつ目は「振動」です。運動性能のために各部のマウントは硬めの物を使っているのは重々承知ですが、アイドルストップからのエンジン再始動時の「ブルン」という振動や、低い回転数のときにルームミラーが見え辛くなってしまう振動などは通常のトヨタクオリティでは考えらないレベルです。
どちらも実用上困るレベルではありませんが、ルームミラーはちょっとしたカイゼンで振動は抑えられるような気がしています。
みっつ目は「音」です。軽さのために防音材や吸音材は必要最小限に抑えていると思いますが、せっかくの「JBLサウンドシステム」の能力が活かし切れていないのが勿体ないです。
個人的には少し重量を使ったとしても、遮音性能を高めた仕様もしくはオプションがあってもいいと思います。
例えば、ポルシェ「911」のGT3に対する「GT3ツーリングパッケージ」のようなイメージでしょうか。
よっつ目は「ブレーキ」です。効き、タッチ、フィーリングなど、性能面ではまったく問題はありませんが、とにかくブレーキダストが出ます。カタログにも「ブレーキ性能を高めたため、ブレーキノイズやブレーキダストが出やすく……」と記載されていますが、欧州車のそれと比べても凄いです。
ただ、BBSホイールはシンプルな形状なので洗いやすい所は非常に助かっています。
最後は「細かいアイテム」です。シートのホールド性は高いですがシートクッションが少々硬すぎるのでフィット感に関してはカイゼンの余地があると思っています。シートポジションは気持ち下げたい所ですが、この辺りは視界性能との兼ね合いもあるようなので悩ましい所です。
メーターはシンプルで見やすいですが、センターのマルチインフォメーションディスプレイに表示が集中しすぎなのが気になります。せっかくいい位置にディスプレイオーディオがあるので、ここに日産「GT-R」のように水温/油温/油圧やブースト、駆動力配分などが表示できるといいのかもしれません。
色々挙げてみましたが、これらのほとんどは許容できるレベルの話であり、それらを差し引いても筆者は「GRヤリスを購入して良かった」と思っています。
ただ、開発陣も「ここがスタートライン」と次に向けて動き始めていると聞いていますし、サードパーティの動きも活発で早くも育てられています。
個人的にはGRには軽量のRCにRZハイパフォーマンスの機能系アイテムをフル搭載した「RCハイパフォーマンス(仮称)」を追加してもらい、各地のサーキットでタイムアタック行脚をおこなってユーザーの指標を作ってほしいなと。
世の中にはさまざまなスポーツカーが存在しますが、軽くて、コンパクトで、速くて、楽しいスポーツ4WDと、筆者にとってGRヤリスは「下町のスーパーカー」といっていい存在です。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
初代は1000〜1500全てが4気筒だったのに
質感もカローラを上回る質感で良かったなー
何時まで新型催眠術で消費者を騙す気なのか?