【試乗】新型「ディフェンダー」のシースルーで見えちゃう効果は凄かった!
ボンネットをシースルーできる機能とは?
今回試乗したオフロードコースは、アパリゾート上越妙高内の特設コース。全長2kmのコースだが、その一部のアップダウンの激しい区間を用いて、ディフェンダーの悪路走破性を文字通り体感する。
前述したとおり、ディフェンダーはテレインレスポンスとして世界で初めて、パワートレイン/ステアリング/ディファレンシャル/トラクションコントロールを個別に設定できるようになった。
しかし、ここは予め設定されたモードから「草・砂利・雪」モードを選択。試乗車はロングホイールベースの「ディフェンダー110」なので、自動的に電子制御エアサスペンションとなる。標準車高から75mmアップした状態で試すことにした。
オフロードコースは、険しい林道でもありえないほどタフなルートとなる。日常生活では、まず経験することのない悪路であることは間違いない。SUVとはいえ、普通の市販モデルでクリアできるのだろうかと心配になるようなルートだ。コックピットからフロントウインドウ越しに見る景色は、道などではなくただの崖のようにも見える急斜面である。
しかし、ランドローバーでオフロード体験を一度でも経験したことのある人ならば、まったく安心して突き進むことができるだろう。かくいう私も、「フリーランダー2」や「ディスカバリー4」、「ディスカバリー・スポーツ」といったランドローバーのモデルで悪路走破は経験済みなので、まったく安心してコースイン。
ディフェンダーには、「オールテレインプログレスコントロール(ATPC)」というオプション装備があり、1.8km/hから30km/hの範囲で速度を一定に維持することができ、悪路でドライバーがステアリング操作に集中できる。ディフェンダー任せでオフロードをクリアするのもよいが、自らのアクセル操作でチャレンジする。
その訳は、「ツインスピード トランスファーボックス」の低速ギアを試すためだ。ディフェンダーには、急勾配やオフロードなどで威力を発揮する低速ギアが追加さるようになった。じわりとアクセルペダルを踏み込み、慎重にカントのついた急斜面のコースに挑む。
ディフェンダーの四輪がスリップすることなく、しっかりと路面を捉えているのが身体に伝わってくる。低速ギアをセレクトしているため、アクセル操作に神経質になることもなく、最初の難関である曲がりくねった急坂をいとも容易くクリア。
少しの不安もなく、オフロードコースを突き進むことができた理由はもうひとつある。それは「ClearSightグラウンドビュー」の存在だ。
これは3Dサラウンドカメラシステムの機能の一部で、まるでボンネットを「シースルー」したかのような映像が、ダッシュボード中央の大型チッチスクリーンに映し出されるというものだ。
運転席からは見えない前輪の先をモニターで見ることができるので、路面状況を確認しながら先へと進むことが可能なのだ。「ClearSightグラウンドビュー」は悪路だけではなく、駐車場などでも事前に障害物を把握することができるので、そのありがたみは無限大だ。
難なくオフロードコースのトップまでたどり着き、次はフロントウインドウ越しには着地点が見えないような急斜面を下るステージだ。「ClearSightグラウンドビュー」で斜面の先をモニターで確認することができたとしても、登りとは違ってさすがに恐怖で一瞬ためらってしまう。
こうした場合に有効なのが、急勾配の下り坂で速度を一定にキープしてくれる「ヒルディセントコントロール」だ。ドライバーはステアリングにだけ意識を集中していればよい。とはいえ、フロントウインドウに見えるのは地面のみ。まるで地面に突き刺さるような急勾配を下っていくのは、なかなか勇気のいることである。
ディフェンダーのアプローチアングルは38度。フロントバンバーを擦ることもなく無事にスタート地点に帰り着いた。もはやディフェンダーに走破できないオフロードはないのではないと断言してもよいのかもしれない。なぜなら「ロード」とつく限り、それは「道」にほかならないからだ。ディフェンダーの目指したところは、「道なき道」のようである。
●LAND ROVER DERENDER 110 SE
ランドローバー・ディフェンダー110 SE
・車両価格(消費税込):738万円
・全長:5018mm(スペアタイヤ含む)
・全幅:2105mm
・全高:1967mm
・ホイールベース:3022mm
・車両重量:2186kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCターボチャージャー
・排気量:1997cc
・エンジン配置:フロント横置き
・駆動方式:四輪駆動
・変速機:8速AT
・最高出力:300ps/5500rpm
・最大トルク:400Nm/1500-4000rpm
・0-100km/h:8.1秒
・最高速度:191km/h
・燃料タンク容量:88.5リッター
・サスペンション:(前)ダブルウィッシュボーン式、(後)マルチリンク式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッド・ディスク、(後)ベンチレーテッド・ディスク
・タイヤ:(前)255/60R20、(後)255/60R20
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