【試乗】新型「ディフェンダー」のシースルーで見えちゃう効果は凄かった!

発売前から注目度の高いランドローバー「ディフェンダー」の走破能力を、ハードな悪路で試してみた。前輪の足元をモニターで確認できる「ClearSightグラウンドビュー」は、悪路だけでなく日常でも大いに役立つ機能だ。

SUVの定番となりうる新型「ディフェンダー」

 2019年11月に先行予約モデル「ディフェンダー・ローンチエディション」が、予約開始4日間で予定台数の150台を達成する人気ぶりを見せたランドローバー「ディフェンダー」。その人気の秘密がどこにあるのか、実際にオフロードをドライブして考察してみよう。

ランドローバー「ディフェンダー」には、そこが道である限り、走破できないオフロードはないといっていいだろう
ランドローバー「ディフェンダー」には、そこが道である限り、走破できないオフロードはないといっていいだろう

 まず最初に、ランドローバーの車種ラインナップを整理しておこう。ランドローバーは大きく3つのカテゴリーに分けられている。「レンジローバー」、「ディスカバリー」、「ディフェンダー」という3つのブランドアーキテクチャーで、ランドローバーのラインナップは構成されているのである。

 このリブランディングは、「ディスカバリー・スポーツ」が発表された2014年のパリ・サロンに合わせた現地でのお披露目イベントの際には公にアナウンスされていた。そのときプレゼンで見せられたディフェンダーのサイドを象徴するイラストは、いま思うとまさしく新型ディフェンダーそのものであった。

 3つのランドローバーファミリーの特徴は、「レンジローバー」が「refinement(洗練)」、「ディスカバリー」が「versatility(汎用性)」、「ディフェンダー」が「durability(耐久性)」と当時説明された。商用車ベースとなる「ディフェンダー・ハードトップ」がラインナップされたことからも分かるように、ディフェンダーは走破性の高さはもちろんのこと、耐久性の高さを第一義に開発され、「レンジローバー」と「ディスカバリー」に比べると価格が抑えられていることもポイントとなる。

 ディフェンダーのショートボディである「デェフェンダー90」は499万円(消費税込、以下同)から、ロングボディである「ディフェンダー110」は589万円からと、国産SUVとくらべても充分に競争力のある価格設定となっていることが、ディフェンダーの注目の高さの最大の理由だろう。

 ディフェンダーの魅力ある車両価格は、国産SUVだけでなく、格上となる高級欧州SUVからの乗り替えはもちろんのこと、国産高級ミニバンからも新規カスタマーを獲得するだけの商品力が備わっているのだ。

 もちろん車両価格だけではなく、ディフェンダーのSUVらしい洗練されたデザインがあってこその人気である。メルセデス・ベンツの「Gクラス」やジープ「ラングラー」の根強い人気、そしてスズキ「ジムニー」の成功例を持ち出すまでもなく、日本人がSUVに求めているのはSUVらしいタイムレスなデザインに加え、走破能力の高さ、使い勝手という実にシンプルなものなのだ(補足すると、ヘッドライトが丸目であることも挙げられる)。一言でいうならば、「定番」を求めているのである。

 ただし、実際のコンペティターとなるであろう「定番中の定番」であるGクラスやラングラーに比べ、ディフェンダーは新規感あるデザインであることが強みとなることは間違いない。

* * *

 軽量アルミニウム・モノコック構造の「D7x」アーキテクチャーを採用した新型ディフェンダーは、ランドローバー史上もっとも頑丈なボディ構造を手に入れ、従来のラダーフレームに比べて3倍のねじり剛性が確保されている。

 また、ランドローバー伝統のフルタイムAWDは、あらゆる路面状況においても前後輪のトルク配分を調整し、極めて安定した走行を実現。サスペンション/トランスミッション/トラクションなどの車両設定を自動制御するテレインレスポンス2には、7種類のモード(コンフォート/草・砂利・雪/泥地/砂地/エコ/ロック/ウェイド)があり、オフロードはもちろんのこと、オンロードでも卓越した走行性能を発揮する。

 ディフェンダーで新たに加わった機能は、ドライバーの用途や好みに合わせて、これまで予めセッティングされた7つのモードでは設定が決められていたテレイン・レスポンスをカスタマイズすることができるようになった点だ。

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