トヨタ頼みで罰金回避!? 燃費規制に苦戦するメーカー 環境と楽しい車の両立は可能?

スバル・マツダ・スズキはトヨタの技術を活用!?

 国産メーカー各社が電動化技術をけん引するモデルを投入していくなかで、マツダ・スバル・スズキはトヨタのハイブリッドシステムを活用することで、燃費規制や環境性能の向上を図ります。

 スバルでは、トヨタのハイブリッド技術を活用したプラグインハイブリッド車「クロストレックハイブリッド(日本のXV)」の米国での販売など、開発・生産・販売などさまざまな分野での協業を深めてきました。

 そのなかで、2019年6月には中・大型乗用車向けのEV専用プラットフォームと、CセグメントクラスのSUVモデルの電気自動車を共同で開発することを明かしています。

 これは、トヨタの電動化技術とスバルのAWD(全輪駆動)技術を活用するなど、両社の持つ技術の強みを持ち寄ることで、電気自動車ならではの魅力ある商品づくりにチャレンジしていくということです。

 両社は、共同開発について、次のように話しています。

「市場の多様化するニーズやさまざまな課題にスピード感を持って対応するためには、これまでの発想にとらわれない新しいビジネスモデル、業界の垣根を超えてさまざまな仲間とともに取り組むことが必要だと考えています。

 今回はその第一歩として、両社がお互いの得意とする技術を持ち寄り、可能な部分は協調することで、その製品化を加速させながら、EV専用プラットフォームを共同開発してまいります」

 このプラットフォームは、CセグメントからDセグメントクラスのセダン、SUV等の複数車種への幅広い応用や、効率的な派生車開発にも対応できるよう開発されるといいます。

スバルとトヨタが共同開発するバッテリーEV「BEVコンセプト」
スバルとトヨタが共同開発するバッテリーEV「BEVコンセプト」

 一方のマツダは、2020年11月9日におこなった「2021年3月期 第2四半期決算」にて、今後のグローバル戦略を公表しています。

 これによると、電動化技術としては、電気自動車専用プラットフォームの開発やプラグインハイブリッド車や48Vマイルドハイブリッド車の投入を予定。

 さらに、マツダが誇るパワートレインのロータリーエンジン技術を活用したマルチ電動化技術を展開するとし、2021年内には市販化を目指しているといいます。

 また、直近のCAFE規制対応としては、トヨタとの協業を強化するなかで、北米では同市場がメインと見られる新型SUVにトヨタのハイブリッドシステム「THS(トヨタハイブリッドシステム)」を搭載し販売予定です。

 欧州でもトヨタのコンパクトカー「ヤリス」のハイブリッド車をベースにしたOEM車としてマツダ版ヤリスを展開し、中国でもTHSを搭載したモデルの発売を予定するとしています。

 また、欧州では前述の排出枠を購入することでもCAFE規制に対応してくようです。

 トヨタのハイブリッド技術を活用するのは、スバルとマツダだけではありません。

 スズキではRAV4 PHVのスズキ版となる「アクロス」やカローラワゴンのスズキ版「スウェイス」を相次いで欧州に投入しています。

 これもCAFE規制対応と考えられ、両社の協業内容として公表されていた「トヨタからスズキへの欧州での電動モデルの供給」がベースです。

※ ※ ※

 このように、年々規制が強化されるに伴い、各自動車メーカーも2025年から2030年までにラインナップのほとんどを電動化するという方式を出すなど、時代は電動化一直線です。

 しかし、各自動車メーカーは従来の「運転する楽しさ」も忘れてはいません。日産は2020年9月に次期型「フェアレディZ」をお披露目したほか、トヨタはル・マン優勝マシンとなった「TS050 HYBRID」をベースにした「GRスーパースポーツコンセプト」の市販化を計画。

 マツダでも直列6気筒エンジンを搭載するFRレイアウトモデルの開発をアナウンスするなど、電動化と平行して楽しいクルマづくりも諦めてはいないようです。

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