ギラツキ顔だけでは売れない? アルファードやN-BOXとライバル車で大差が生まれるワケ
ギラツキ顔といえば、新車が売れるひとつの要素だといわれています。しかし、トヨタ「アルファード」やホンダ「N-BOXカスタム」のように売れているモデルもあれば、同じギラツキ顔でも販売台数がそこまで多くないモデルなど差が存在します。ギラツキ顔モデルで見えたそれぞれの異なる部分とは、どこなのでしょうか。
ギラツキ顔だから売れるワケでは無い? 明暗分かれる要因とは
最近の国内市場では、クルマのフロントマスクにメッキ加飾を多用した通称「ギラツキ顔」と呼ばれるデザインのモデルが人気な傾向にあります。
そのギラツキ顔は、軽自動車から高級ミニバンまでさまざまなジャンルに採用されていますが、本当に人気なのでしょうか。
ギラツキ顔が人気といわれ久しい昨今、軽自動車ではホンダ「N-BOX」スズキ「スペーシア」ダイハツ「タント」のカスタム仕様がその代表格です。
この3モデルは、それぞれ標準モデルをベースにメッキ加飾を多用したカスタムモデルを設定しており、一節には4割近くをカスタムモデルが占めることもあるといいます。
また、コンパクトワゴンでは、以前までトヨタ「ルーミー/タンク」が存在しましたが、2020年9月のマイナーチェンジでルーミーに一本化されました。
これは、販売台数において、ルーミーのほうが好調だったことが要因とされますが、その人気の秘訣は兄弟車として、ルーミーの方が大型メッキグリルを採用したギラツキ顔だったことがタンクよりも売れていた要素だったといえます。
また、同じコンパクトワゴンのスズキには「ソリオ」とカスタム仕様といえる「ソリオバンディット」がラインナップされていますが、メッキ加飾の度合いでいえばソリオのグリルのほうがギラツキ顔に近いデザインです。
そして、ギラツキ顔がほとんどのモデルでトレンド化しているのが、ミドルサイズミニバンとフルサイズミニバン(高級ミニバン)のジャンルです。
ミドルサイズでは、トヨタ「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」、日産「セレナハイウェイスター」、ホンダ「ステップワゴンスパーダ」などがラインナップ。
トヨタの三兄弟では、ギラツキ顔度ではエスクァイア、ノア、ヴォクシーの順ですが、2020年4月から9月の販売台数では逆の順番になっています。
また、セレナでは2019年8月にハイウェイスターのデザインをさらなるギラツキ顔に刷新したものの、当初はユーザーからの反響はあまり良くなかったようです。
一方、フルサイズミニバンかつ高級ミニバンといわれるトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」、日産「エルグランド」、ホンダ「オデッセイ」では、どのモデルもエントリー価格が350万円前後と決して安価ではありません。
これらの高級ミニバンの特徴として、どのモデルもギラツキ顔と呼ばれるようなメッキ加飾や迫力のあるデザインを採用していることと、内装装備が豪華なことが挙げられます。
そのため、基本的なパッケージに大きな差は無いものの、2020年の販売台数上ではアルファードがダントツの販売台数を記録。兄弟車のヴェルファイアにも大差を付けています。
その傾向を打破するためか、2020年秋にエルグランドとオデッセイはともにフロントフェイスをより迫力あるデザイン変更を伴う、マイナーチェンジを実施するなど販売力向上を図っています。
このようにメッキ加飾を多用したモデルが一定数の人気を誇る要因について、国産メーカーの元デザイン担当者は次のように話します。
「メッキ加飾を用いるデザインは、昔から使われていました。その当時は、高級感を演出するためにセダンなどの上級モデルにメッキ加飾を採用するなど、一部モデルの表現豊富でした。
その後、軽自動車ではダイハツが2000年頃からカスタム仕様をムーヴやタントに採用。
2010年頃からメッキ加飾が他社との差別化を図るデザインとして捉えられはじめ、2012年に登場した14代目クラウンの大型グリルがギラツキ顔的なインパクトあるフロントフェイスを採用して話題となりました。
ミニバンも同時期にノア三兄弟やエルグランド、アルファードなど続々とメッキ加飾を多用し始めます。
その後も話題のモデルや人気モデルにメッキ加飾が多用され、ユーザーの認知・関心は広がり、後追いでライバルもさらにデザイン変更モデルを繰り返した結果が現状なのです」
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このように、ブームやトレンドが誕生する背景には、注目されているモデルから発祥することが多いようです。
クルマのトレンドはファッションなどよりは長く続くとされるため、今後もしばらくはギラツキ顔を採用するモデルが多そうです。
ホンダ「オデッセイ」ですよね。
このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
修正いたしました。