ランエボ復活を熱望! 厳しい販売状況で描く三菱自、復活のシナリオとは

海外では根強い人気、日産傘下で再建を図る

 現在、三菱自動車は日産自動車から約34%の出資を受け、傘下に収まって再建を目指しています。

 その再建途上で日産の会長だったカルロス・ゴーン元CEOによる「お家騒動」が勃発、そして今回のコロナ禍と、再建の道のりは険しいのが現状です。

 そんななか、三菱自動車は今回の決算予想発表において業績回復に向け、経営資源を東南アジア事業に集中する方針を示しました。

 そのうえで、インドネシアやフィリピンで日産と協業できないか検討を始めていることも明らかにしています。

 国内では、前述した不祥事でイメージダウンしてしまっている三菱自動車ですが、海外、なかでも東南アジア諸国での評判はよく、販売も好調です。

 三菱自動車によれば、2019年の海外への輸出実績は37万5512台です。また、海外生産台数でも74万9000台以上で、その拠点の多くが東南アジアに集中しています。

 例えば、タイには完成車工場とエンジン工場が、フィリピンには自動車生産工場と部品製造工場、加えて、インドネシア、ベトナムに完成車工場があるなど、販売のみならず雇用も生み出しています。このように、東南アジア各地域への経済的な貢献度が高いのも三菱自動車の特徴です。

 また、1997年から中国での合弁企業である「瀋陽航天三菱」がエンジンの現地生産を開始しています。

 拡大を続ける中国の自動車市場で、多くの中国メーカーにエンジンを供給し、2017年には累計500万基を達成しています。その後も、成長する中国市場でエンジン生産のライセンス供与や技術指導で収益をあげています。

 2018年には、広州汽車集団、三菱商事、三菱自動車による車両生産・販売合弁会社である広汽三菱汽車が、湖南省・長沙市の新工場で新型エンジンの生産を開始したほか、研究開発センターの起工も進めているなど、アジア戦略を積極化させています。

 国内では厳しい状況が続く三菱自動車ですが、東南アジアや中国でのビジネスが着実に収益を上げているといえます。

2020年3月に発売した三菱の新型軽自動車「eKクロススペース」
2020年3月に発売した三菱の新型軽自動車「eKクロススペース」

 一方、国内における三菱自動車の経営および従業員の雇用確保は、「NMKV」という組織に掛かっているようです。

 NMKVが設立されたのは2011年6月、日産自動車と三菱自動車が折半(資本金1000万円の50%をそれぞれ負担)してつくられました。

 設立の目的は、NMKVがイニシアティブを取って、日産と三菱が持っているクルマ作りのノウハウを融合し、新しい軽自動車を企画開発してマーケットに送り出すことです。

 ただし、NMKVはあくまで企画会社のため、生産設備などはありません。そのため、NMKVで企画された軽自動車はおもに三菱自動車水島工場で生産されます。

 日産としては、独自に軽自動車生産のための設備を新設するよりも、傘下となった三菱自動車の設備を使うほうが効率的と考えたものと思われます。

 つまり、国内において三菱ブランドの販売台数は決して多くありませんが、日産に供給している軽自動車も含めると、実質的な販売台数はより多いことになります。

※ ※ ※

 パジェロやランサーエボリューションなどの名車を輩出してきた三菱自動車ですが、近年ではすっかりと影を潜めています。

 しかし、その圧倒的なグループ力や、海外での地盤を活かし、再起を図っているといえます。

 そして、クルマ好きや往年の三菱ファンのためにもランサーエボリューションやパジェロの復活を熱望したいところです。

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1件のコメント

  1. 4G63ほどのエンジンを作れるとしたら三菱か?ISUZUじゃないかね?
    ISUZUはディーゼルのイメージだけどUBS系のビックホーンのV6ガソリンは頑丈でトルクもシャープだし、280馬力規制同時に自分は4G63以外は280馬力なんて出てないんじゃない?なんて思ったりもしたけどね。
    RB26DETTもあの程度なら無理にアテーサにせずにFRのGT-Rでも良かった?とも思うし
    ランエボもそうだが同じく土台となったセディアなんか同じクラスのカローラやサニーより乗り心地も良く剛性の高さを実感できた車だったね。

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