まるでスーパーカーみたいなセダンがあった!? とんでもエンジンの珍セダン5選
もう二度と出ないかもしれない国産セダンとは
●マツダ「ロードペーサー」
マツダは1967年に、世界初の量産ロータリーエンジンを搭載したスポーツカーの「コスモスポーツ」を発売。高性能でコンパクトなロータリーエンジンはスポーツカーに適したエンジンでしたが、マツダは小型車から大型車、バスやピックアップトラック、軽自動車まで、すべてのラインナップにロータリーエンジンを設定する、フルラインナップ化を進めました。
「サバンナセダン」や「ルーチェセダン」など、比較的実用的なセダンにもロータリーエンジンを搭載し、1975年に発売された高級セダンの「ロードペーサー」では、ロータリーエンジンのみを設定。
654cc×2ローターで135馬力を発揮する「13B型」エンジンを搭載し、騒音や振動が少ないロータリーエンジンならではの静粛性による、上質な室内空間は高く評価されました。
一方で、マツダは大型セダンを自社で生産する設備が無かったため、エンジン以外をオーストラリアのメーカーであるホールデンからOEM供給してもらい、ホールデン「プレミアー」の車体をベースにロードペーサーを生産しました。
スタイリッシュなボディは日本車と一線を画するものでしたが、日本人には馴染めなかったようで、さらに高額な車両価格と、もともとは5リッターを超えるV型8気筒エンジンが搭載されることを想定していた車体は重く、ロータリーエンジンの燃費の悪さに拍車がかかったといいます。
販売が低迷したため、発売からわずか2年後の1977年に生産を終了。いまでは大変貴重なモデルです。
●トヨタ「センチュリー」
高級セダンに欠かせないのが、静粛性や乗り心地のよさ、そして余裕あるパワーなどが挙げられ、1960年代からトヨタの最高峰モデル「センチュリー」にはV型8気筒エンジンが搭載されました。
初代センチュリーは長期間にわたってV型8気筒エンジンが採用されましたが、1997年に登場した2代目センチュリーでは、日本の市販乗用車としては史上初で唯一のV型12気筒エンジンを搭載。
センチュリー専用に開発された、5リッターV型12気筒DOHCの「1GZ-FE型」エンジンは、最高出力280馬力と控えめなパワーでしたが、片側6気筒を別々に制御することが可能なように設計されていました。
これは片方の6気筒に不具合が生じても、もう片方の6気筒が機能して走行し続けられるようになっており、まさに要人のためのクルマに相応しいエンジンです。
この国内唯一の乗用車V型12気筒エンジンは、2018年にセンチュリーがフルモデルチェンジした際にV型8気筒+モーターのハイブリッドにスイッチされて、消滅してしまいました。
しかし、天皇陛下がお乗りになる御料車の「センチュリーロイヤル」にはこのエンジンが搭載されており、まだまだ活躍し続けることでしょう。
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近年、ダウンサイジングターボエンジンの普及により、大排気量の自然吸気エンジンは少数派になってしまいました。
高出力が得られるターボエンジンも魅力的ではありますが、大排気量自然吸気エンジンならではの、アクセル踏んだ時のレスポンスの良さも、大いに魅力的です。
今後、ますます大排気量自然吸気エンジンは減っていくと予想されますので、手に入れたいという人はお早めに。
832はクロスプレーンだよ。