豪快な加速に酔いしれる!? 高性能な大排気量ノンターボ車5選
大排気量エンジンを搭載した欧州ホットハッチ2台
●フォルクスワーゲン「ゴルフ R32」
1974年に、フォルクスワーゲン「タイプ1(ビートル)」の後継車として登場した初代「ゴルフ」は、巨匠ジウジアーロによる秀逸なデザインと、基本性能の高さから、後にFFコンパクトカーのベンチマークとなった名車です。
日本には輸入されませんでしたが、初代ゴルフには高性能モデルの「GTI」がラインナップされ、代を重ねてもGTIの伝統は受け継がれていき、最新モデルの8代目ゴルフにもラインナップされる予定です。
このGTIとは別に、高性能なゴルフが登場。それが2003年に追加された4代目ゴルフの「R32」です。
車名は3.2リッターV型6気筒SOHCエンジンを搭載していたことに由来し、駆動方式もGTIが伝統的にFFのみだったのに対して、R32はフルタイム4WDを採用。
さらに、2006年には5代目ゴルフにもR32が設定され、最高出力250馬力を発揮する3.2リッターV型6気筒DOHCエンジンに、先代同様フルタイム4WDが組み合わされました。
このV型エンジンはユニークで、V型6気筒の場合、シリンダーのはさみ角が60度から90度に設定されるのが一般的ですが、R32のエンジンは15度と、いわゆる狭角V型エンジンです。
狭角V型エンジンはコンパクトなサイズに収められるメリットがあり、同様な手法でつくられたエンジンは、フォルクスワーゲングループのさまざまな車種にも搭載されました。
コンパクトな車体に大排気量エンジンの組み合わせは、重量バランス的には決して良いとはえませんが、GTIとは異なる豪快な走りのフィーリングは、R32ならではといえます。
中古車の物件数はそれほど多くないのですが、相場は100万円台中盤が主流です。なお、現在のラインナップではR32は消滅し、代わりに「Rシリーズ」がラインナップされています。
●アルファ ロメオ「147 GTA」
かつて、アルファ ロメオのモデルのイメージは、コンパクトなFRクーペやセダンで、高性能なDOHCエンジンを搭載する硬派なクルマでしたが、近年はコンパクトカーやSUV、FFのモデルなど幅広く展開しています。
なかでも、1994年に登場した「145」は小型の3ドアハッチバックのFF車で、サイズ感の良さや高性能なエンジンを搭載していたため、日本でも人気のモデルとなりました。
2000年には後継車の「147」が登場し、145の直線基調のボディから曲面を多用したグラマラスなボディに一新され、日本において145以上の人気を獲得します。
そして、2002年に高性能なグレードの「147 GTA」が登場。
GTAというグレードは1960年代のレースベース車に付けられた名前で、当時、大胆に軽量化した車体に高性能なDOHCエンジンを搭載していた、ピュアスポーツカーとしていまも語り継がれる存在です。
147 GTAに搭載されたエンジンは3.2リッターV型6気筒自然吸気で、最高出力は250馬力を発揮し、トランスミッションは6速MTと6速AMTの「セレスピード」を設定。
ボディも、サイズアップされたタイヤを収めるためにワイドフェンダー化し、迫力ある外観を演出しています。
現在の水準ではそれほど高出力ではありませんが、大排気量自然吸気エンジンならではのレスポンスの良い加速感と、官能的と評されたエンジン音によって、アルファロメオファンを魅了しました。
なお、147は2010年に生産を終了し、後継車は「ジュリエッタ」です。
中古車はゴルフ R32と同様で、物件数は多いとはいえませんが、100万円未満が中心で、6速MTモデルの方が人気のためか、若干高く、100万円台前半が相場です。
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日本の税法上、大排気量で古いクルマは手が出しづらい状況です。ルールとして仕方のないことなのですが、せっかく優れたクルマが安価で買えても、維持費を考えると二の足を踏んでしまう人も多いのではないでしょうか。
ただし、今後、大排気量の自然吸気エンジンを搭載したクルマが出てくることはほとんど無いため、程度の良い物件があるうちに手に入れた方が、得策かもせれません。
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