ホンダ「ライフ」が6年ぶり復活! でも普通車へ進化した別物!? 元祖ライフの辿った運命とは
ホンダの中国の合弁会社である東風ホンダが、「フィット」の東風ホンダ版モデルである新型「ライフ」を発表しましたが、軽乗用車としてのライフの歴史は途絶えたままです。2014年まで販売された歴代ライフは、どんなクルマだったのでしょうか。
初代「ライフ」登場までの歴史とは
以前、日本で販売されていたクルマの名前が、海外で復活する事例をときどき耳にします。先日も、ホンダの中国の合弁会社である東風ホンダが、日本の軽乗用車「ライフ」の名前を、東風ホンダ版フィットの車名として復活させました。
では、2014年まで販売されていた従来のライフとは、いったいどんなクルマだったのでしょうか。
ホンダが四輪車市場に参入したのは1963年。記念すべき初の量産市販4輪車「T360」から、その歴史をスタートさせました。
T360は車名から推察されるように、当時の軽自動車規格内の360ccエンジンを搭載した軽トラックです。
その後、1967年に同社初の本格的な量産軽乗用車「N360」を発売。駆動方式にFFを採用し、さらにタイヤをボディの四隅に配置したことで、広い室内空間による優れた快適性を実現したクルマでした。
搭載される360cc空冷直列2気筒エンジンは、最高出力31馬力を発揮。多くのライバル車を上回る高性能ぶりに、「まるでスポーツカー並みの出足」と評され、大ヒットを記録しました。
しかし、公害対策を主な目的に、ホンダはその後自社モデルに搭載するエンジンを空冷エンジンから水冷エンジンへ転換を図ります。
そして、N360シリーズの後継車として1971年に登場したのが初代「ライフ」です。初代ライフは、水冷化された「EA型」360cc直列2気筒エンジンを搭載。ラインナップは、標準車と、3ドアステーションワゴンタイプの「ワゴン」、そして「ライトバン」の3タイプを展開しました。
さらに、多用なニーズに応えるために、初代ライフの派生車としてセミキャブオーバー型の軽ライトバン「ライフステップバン」とトラックの「ライフピックアップ」が1972年に登場。
軽自動車規格いっぱいまで使った直線基調のボクシーな外観は、発売時はほかにない斬新なデザインとして、話題となります。2020年現在の視点から振り返ると、いまの軽トールワゴンにも似たデザインといえるでしょう。
しかしホンダは、1972年に発売された小型車の初代「シビック」が世界的にヒットしたことを受け、小型車の生産へ注力する方針へと転換します。
1974年にライフ、ライフステップバン、ライフピックアップをすべて生産終了。「TN360」系の軽トラックのみを残し、軽乗用車市場から撤退しました。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。