「え、どっち曲がるの!?」 右折するときに一旦左へ膨らむ行為、なぜ? 「紛らわしいです!」 原因と問題とは
春になり、これから免許を取得しようと考える人も多いかもしれません。運転初心者が陥りがちなものとして「あおりハンドル」と呼ばれる操作が危険視されていますが、実際どのような原因と問題があるのでしょうか。
あなたは陥っていない?接触事故にもつながる「あおりハンドル」
SNSやニュースで「あおりハンドル」と呼ばれる運転がたびたび問題視されています。
これはどのような原因から起こり、どういった危険性を持つ操作なのでしょうか。

右左折の際、曲がる方向と反対側に1度膨らんでからハンドルを切る運転を見かけたことがある人も多いかもしれません。
俗に「あおりハンドル」という操作は、周囲のクルマから見ると紛らわしく、事故につながる危険な行為とされています。
曲がる方向と逆に膨らむ動きは、歩行者や他の車両に誤解を与えやすく、後続車が進行方向を読み違えて接触事故が発生することもあります。
実際、SNS上では「どこに行くのか分からずヒヤッとした」「対向車とぶつかりそうになった」といった体験談が散見されます。
では、なぜこのような操作をしてしまう人がいるのでしょうか。
その原因のひとつは交差点への進入速度にあると考えられます。
減速が不十分なまま曲がろうとすると、操作に余裕がなくなり、結果的に大きく膨らんでしまう場合があります。
また、縁石やガードレールとの接触を恐れて無意識に反対側へ膨らんでしまうことも少なくありません。
ほかにも、あおりハンドルが常態化している人の中には、レースの映像を参考にして、真似をしたいと思って意図的におこなっている人もいるようです。
しかし、公道運転にはまったく適さない、危険な操作であることは言うまでもありません。
このような運転が違反に該当するかについても気になるところです。
実際に、左折時について道路交通法第34条第1項においては「左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿つて徐行しなければならない」と定められています。
つまり、膨らまずに曲がれる状況で無理に膨らんだ場合は違反となる可能性があるとしています。
さらに、他車の通行を妨げる運転をおこなった場合には、別途で罰金または科料の対象になることもあるとされます。
とはいえ、すべての「あおりハンドル」が即座に違法になるわけではありません。
たとえば、大型車などで内輪差が大きいクルマは、交差点を正確に曲がるためにやむを得ずふくらむ場合もあります。
一方で、一般的な乗用車で通常の交差点を曲がる際、正しく減速していれば膨らまずとも曲がれる場面が大半です。
それでは、あおりハンドルにならない正しい右左折の方法とはどういったものなのでしょうか。
とある教習所の関係者は次のように話します。
「右左折の際、早めに徐行し、折れる方向の端に車体を寄せてゼブラゾーンや交差点の中心表示に従い走行する、ということが基本です。
目安としては時速20キロ以下に減速することで、ハンドル操作の自由度が高まり、スムーズでコンパクトな右左折が可能になるため、教習所内で運転した時のスピード調整を参考にするとよいです」
また、前出の担当者は意識すべきポイントについて次のように話します。
「ハンドルを切り始めるタイミングも重要で、曲がり始める直前まではまっすぐの姿勢を保つことが望ましいです。
膨らまずに曲がるには、曲がる前から余裕をもった操作を心がけ、自分の車両感覚を把握することが大切です」
※ ※ ※
特に免許を取りたてのドライバーや、久々に運転する人は、運転時の癖や不安から無意識に膨らんでしまうこともあります。
日頃から自身の運転を振り返って、また他の搭乗者にアドバイスを貰うなどして、どこに問題が潜んでいるかを考えるとよいかもしれません。
Writer: Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。















