なぜJAL格納庫で開催? スバル新型「レヴォーグ」発表会 今も続く旅客機とスバルの関係とは

新型コロナ禍での発表会ならではの苦労も

 しかし、それだけではありません。

 この発表会がオンライン中継され、多くの人が見ることのできるイベントだったことも影響しているようです。

 スバル広報担当者は「多くのファンに見ていただけるよう、特別なことをしたいと考えました。一般的な新車発表イベントにはない、興味深く見てもらえるような映像を提供したい。そこで航空機の格納庫での開催としました」と教えてくれました。

 さらに、航空機とスバルは切っても切れない関係にあるといえます。

 まず、スバルのルーツは1917年に設立された「中島飛行機」という航空機メーカーです。そして現在でも同社には航空機部門である「航空宇宙カンパニー」が存在。

 なにを隠そう、発表会場に置かれたボーイング787型機の機体の一部(中央翼と呼ばれる左右の主翼をつなぐ胴体下の部分)は全機体分をスバルが製造しているのですから縁は深いのです。

新型「レヴォーグ」を787に積み込むデモンストレーションの様子
新型「レヴォーグ」を787に積み込むデモンストレーションの様子

 また、JALとスバルはこれまでもコラボを実施。

 そのひとつがドイツのニュルブクリンクでおこなわれる24時間耐久レースの参戦車両をJALが旅客機で運搬したことです。今回もオンライン中継終了後に新型レヴォーグを787に積み込むデモンストレーションもおこなわれました(787型機の貨物室は車両も積載できる構造になっています)。

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 新型コロナウイルスの影響を受け、各自動車メーカーは発表イベントも「ニューノーマル」に対応したスタイルを模索しています。

 そのひとつの形として開催された今回のイベントは、空港関係施設というだけあって厳しいセキュリティに加え、場所柄、登壇者以外はすべての人がヘルメット着用を求められるなど取材する側としても異例なものでした。

 新型コロナウイルス感染対策として会場へ入れる人数にも制約を受け、現場に入って対応するスタッフの人数も絞られるなど、スバル側も試行錯誤のイベントだったようです。

 しかし、スバルファンにとっては非常に興味深い催しとなったのではないでしょうか。発表会の様子は同社の公式YouTubeチャンネル「SUBARU On-Tube」で見ることができます。

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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