じつは羊の皮を被った狼だった!? 見た目を裏切る日産の高性能車5選
高性能な自然吸気エンジンを搭載した2台のセダンとは
●スカイライン オーテックバージョン
1989年に登場した日産8代目「R32型 スカイライン」は、16年ぶりに「スカイラインGT-R」の復活が大いに話題となった記念すべきモデルです。
R32型 スカイラインGT-Rは、市販車をベースに仕立てたマシンで戦うツーリングカーレースに参戦するために開発されたモデルで、280馬力を誇る直列6気筒ツインターボの「RB26DETT型」エンジンと、可変トルク型の4WDシステム「アテーサE-TS」が搭載され、「全日本ツーリングカー選手権」では無敵を誇りました。
この高性能なスカイラインGT-Rのコンポーネンツを流用して、1992年にオーテックジャパンが「スカイライン オーテックバージョン」を発売。
ボディは2ドアクーペのスカイラインGT-Rとは異なる4ドアセダンで、スタンダードな「GT系」と同じ5ナンバーサイズです。
外観はフロントに専用デザインのエアロフォルムバンパーが装着されるに留まり、派手なエアロパーツは装着されていません。
エンジンはRB26DETT型から2機のターボチャージャーを外して2.6リッター直列6気筒自然吸気に作り変えられた「RB26DE型」で、最高出力は220馬力を発揮。
インテーク/エキゾーストマニホールド、カムシャフト、ピストン、ECUなどが、オーテックジャパンが開発した専用品に変更せれています。
パワーは控えめながら、6連スロットルが装着された大排気量自然吸気エンジンならではの鋭いアクセルレスポンスに、スムーズな吹け上がりとリニアな出力特性を実現。
駆動方式はアテーサE-TSを継承した4WDとされ、足まわりには専用チューニングされたサスペンションと、スカイラインGT-Rのブレーキシステムを採用しています。
なお、スカイライン オーテックバージョンは、余裕のあるロングドライブを楽しむというコンセプトで開発されたため、トランスミッションは4速ATのみの設定とされました。
現在は中古市場に出ることも滅多になく、もし市場に出ればかなり高額な価格となることが見込まれます。
●サニー VZ-R
日産は1966年に、マイカー時代到来に先駆け、初代「サニー」を発売しました。このモデルは同社を代表する大衆車として、日本におけるマイカーの普及に貢献。
2代目以降は高性能グレードが設定され、モータースポーツでも活躍し、サニーは安価なスポーツモデルとしても支持されるようになります。
そして代を重ね、1998年に発売された9代目には、短い期間だけ高性能グレードの「VZ-R」がラインナップされていました。
VZ-Rのエンジンは、最高出力175馬力を7800rpmで発揮する高回転型ユニットである、1.6リッター直列4気筒DOHCの「SR16VE型」を搭載。組み合わされたトランスミッションは5速MTのみです。
外観はベーシックグレードとほとんど変わりなく、VZ-Rの識別方法はリアのエンブレムと、195/55R15のワイドタイヤくらいでした。
2000年のマイナーチェンジで大幅なグレードの整理がおこなわれ、VZ-Rは廃止。わずか2年の販売だったため、いまでは非常に希少なモデルです。
その後、2004年にこの9代目をもってサニーは生産を終了して、38年という長い歴史に幕を閉じました。
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今回、紹介したなかの1台であるエクストレイルは、いまも人気のSUVです。しかし、前述のとおり高性能モデルはラインナップしていません。
そもそも、国産SUVには過激な性能のモデルは無くなってしまいました。
むしろ、ハイブリッド車などのエコカーが国産SUVの主流となりつつあり、燃費が良く、実用上で十分なパワーがあればよいということでしょう。
高性能なSUVを求めるなら輸入車という選択になりますが、国内メーカーもがんばってほしいところです。
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