「シルビア」いつ出る? フェアレディZで狼煙を上げた! 日産スポーツの復権あるか

新型「Z」で、日産の復権なるか

 前述したフェアレディZプロトタイプは、現行“Z”の内外装デザインをブラッシュアップして一新。V型6気筒DOHC+ツインターボエンジンとマニュアルトランスミッションを組み合わせたFRスポーツです。

 2020年5月に公開した“Nissan A-Z”の動画内で予告したフェアレディZプロトタイプは、50年におよぶ歴史を持つフェアレディZの伝統と現代的な雰囲気を組み合わせた“新しいスポーツカーだ”と宣言しています。

 日本のデザインチームによってデザインされたフェアレディZプロトタイプは、映像で見る限り初代S30型のシルエットやフロント&リアの造形をモチーフとして、それらを引き継いだエクステリアに仕上がっているようです。

 また、歴代フェアレディZの伝統、黄色のソリッドパールの陰影が見せるメリハリのあるボディカラーにブラックルーフを組み合わせ、現代的なカラーコンビネーションが印象的なプロトタイプでした。

次期型「フェアレディZプロトタイプ」。歴代Zのデザインをオマージュしている。
次期型「フェアレディZプロトタイプ」。歴代Zのデザインをオマージュしている。

 フロントフードのバルジやティアドロップ型LEDヘッドランプの形状は、S30型のデザインを彷彿とさせます。

 また、ラジエターグリルの開口部も歴代フェアレディZの持つ雰囲気を継承しているようです。いずれもそのエクステリアは「Z」独自の世界観を示しています。

 公開された一部諸元によると、ボディサイズは全長4382mm×全幅1850mm×全高1310mm。装着タイヤは前後異径で、前255/40R19、後285/35R19です。

 エンジン排気量やターボの形式、出力&トルクなど詳細はすべて不明ですが、V37型スカイラインと共通のVR30DDTT型とみられ、最強グレード「400R」の405馬力+6速MTのフロントミッドシップ搭載に期待が高まります。

 そのうえで、多くの日産スポーツファンが望んでいるのは、もう少しリーズナブルな価格でコンパクトな4気筒エンジン搭載の軽量FRスポーツでしょう。

 つまり2002年をもってS15型がステージから去ってしまったシルビアの復活です。S15型シルビアは、その前の世代S14型で無闇に肥大化したボディを再度5ナンバーサイズに引き締めた全長4445mm×全幅1695mm×全高1285mm、ホイールベース2525mmのFRモデルでした。

 そして、シルビア復活プロジェクトが2010年代あたりに市販化できるまで進んでいたとする噂がありました。

 しかし、残念ながら2008年のリーマンショックの影響で開発中止になったといいます。この話の真偽はともかく、それ以降もさまざまな噂ともスクープともいえる話が流されていますが、現在のルノー・日産・三菱アライアンスには小型FRプラットフォームは存在せず、残念ながらシルビア復活の見通しは経っていません。

※ ※ ※

 トヨタがスポーツモデルを発表できたのは、86&BRZがSUBARUと、スープラがBMWと協働したように、パートナーシップを組む相手に恵まれたからだと云われます。

 それならば、かなり飛躍した期待であれど、仏ルノーとアライアンスを組む日産であるなら、「アルピーヌA110」譲りの軽量コンパクトな横置きエンジンのミッドシップスポーツも開発できるのではないでしょうか。

 スポーツカーが大衆車とはいえなくなった厳しい現代ですが、かつてのシルビアや180SXのように、一般ユーザーが走りを楽しめる日産車の登場を期待したいところです。

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【画像】かつて「次期シルビア」と言われた車があった!? 復活を望むシルビアをささっと見る!(35枚)

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Writer: PeacockBlue K.K. 瓜生洋明

自動車系インターネット・メディア、大手IT企業、外資系出版社を経て、2017年にPeacock Blue K.K./株式会社ピーコックブルーを創業。グローバルな視点にもとづくビジネスコラムから人文科学の知識を活かしたオリジナルコラムまで、その守備範囲は多岐にわたる。

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