増加する「道の駅」 なぜ東京は1つだけ? 120以上の北海道と異なる事情

複合施設として期待される道の駅の現状と今後

 最近の道の駅は、以前からある地元の名産品を販売するだけにとどまらず、新しいメニューや商品の開発が進み、そこでしか買えないオリジナル商品などによって地域の認知度と利用率を上げる役割も果たしています。

 そんななか、利用者に注目され、盛り上がりを見せているのが、複合レジャー施設型の道の駅です。

玉ねぎが名物「道の駅 うずしお」
玉ねぎが名物「道の駅 うずしお」

 敷地内には地産の直売所はもちろんのこと、複数のレストランや物販の専門店といった「購買施設」、手ぶらでバーベキューが楽しめたり、温泉があったり、広々としたドッグランなどが併設され、訪れた人たちが1日中施設内で楽しめる「体験型施設」が、非常に人気を集めています。

 なかには宿泊施設まで併設するところや、キャンプ場やオートキャンプ場を完備しているところもあります。

 また、海に近いエリアでは遊覧船が運航されていたり、併設されたヘリポートから遊覧飛行が楽しめる道の駅まであります。

 手軽にアウトドア気分が楽しめ、レジャー施設が利用できる道の駅は、さらに充実していくものと予想されます。

※ ※ ※

 国土交通省サイトには、今後の道の駅の方向性についての目標が記載されています。

 ひとつめは「全国道の駅連絡会」という組織を法人化させ、個々に独立した道の駅間のネットワークを強化することで、情報の共有化や観光・産業の機能を発展させる連携をおこない、地域活性化や地方創生の拠点を目指すというものです。

 もとから地元の経済活性化や情報発信を意識した作りになっている道の駅だけに、連携するメリットがどれだけあるかは未知数な部分もありますが、ふたつめに掲げる目標である「防災拠点としての機能強化」と連動することで、大きな意味を持ちそうです。

 昨今頻発している自然災害に対する避難先や警察や消防と連携する拠点として、全国の約43%の道の駅が防災計画に組み込まれており、「BCP(事業継続計画)」と呼ばれる災害時に地元企業の損害を最小限に抑え、継続や復旧のための計画にも組み込むべきだという考えがあります。

 また少子高齢化が進む今後に考慮して、病院や役場機能、子育て応援施設などを併設するアイデアも出ているようです。

 地域の経済活動(収益)を生み出しつつ、より多くの地元の人にも活用してもらえるようにしようというのが、今後の道の駅の目標となっていくようです。

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