見た目とギャップありすぎ!? 意外な性能の車3選
クルマの見た目とキャラクターはリンクする場合があります。たとえばスポーツカーは見た目にも速そうなフォルムで、クロスカントリー4WDは見るからに頑丈そうです。一方で、見た目と性能にギャップがあるクルマも存在。そこで、外観と性能が一致しないクルマを3車種ピックアップして紹介します。
見た目を裏切るクルマを振り返る
走行性能が高いスポーツカーは、見た目にも速そうなフォルムでデザインされ、高額な高級車ならば、重厚で押し出し感を強調したデザインというのが一般的です。
外観から、そのクルマのキャラクターがわかることもありますが、見た目と性能にギャップがあるクルマも存在。
そこで、外観と性能が一致しないクルマを3車種ピックアップして紹介します。
●マツダ8代目「ファミリア 1700ディーゼルターボ」
マツダはトヨタ「カローラ」や日産「サニー」の登場以前の1963年に、大衆車の初代「ファミリア」を発売。欧州車のようなモダンなデザインが印象的なクルマでした。
その後、ファミリアはマツダの主力車種となり、2代目ではロータリーエンジンを搭載して一気に高性能化し、4代目では再びファミリーカーに回帰。
6代目では1.6リッターDOHCターボエンジンに日本初のフルタイム4WDを採用するなど、高性能車として人気となりました。
そして、1994年に発売された8代目ファミリアでは再度方向転換され、高性能モデルはありませんでしたが、シリーズ初のディーゼルターボを設定。
このディーゼルターボ車がユニークで、ボンネットにはエンジンルームへ導風するエアダクトが設置されており、下位グレードでは質素な外観から 、一見するとレースベース車のようでした。
エンジンはいすゞ製の1.7リッター直列4気筒SOHCディーゼルターボで、最高出力は88馬力と平凡ですが、最大トルクは17kg・mと2リッターガソリンエンジンと同等の値です。
ただし、現在のディーゼルターボほどパワフルとはいえず、経済性を重視しており、教習車にも採用されました。
●ホンダ初代「パートナー」
現在、ホンダのラインナップで商用車は軽バンの「N-VAN」と、2021年に生産終了予定の軽トラック「アクティ」だけですが、かつてはライトバンを販売していました。
本格的にライトバンの販売を開始した頃は「シビックバン」(後に「シビックプロ」)が主力でしたが、1996年に新型ライトバンの初代「パートナー」を発売。
初代パートナーはステーションワゴンの「オルティア」をベースにつくられ、外観はオルティアに準じているものの、無塗装で素地のバンパーや、リアゲートの加飾を省略するなど、コストダウンが図られていました。
搭載されたエンジンは1.3リッター、1.5リッター、4WD専用の1.6リッターと3種類の直列4気筒エンジンが設定され、トランスミッションは5速MTと一部グレードを除き4速ATが選択できました。
この初代パートナーの特徴的なところは、商用車でありながら足まわりは4輪ダブルウイッシュボーンを採用していたことで、路面の追従性に優れており、一般的にはスポーツカーなどに採用される形式です。
4輪ダブルウイッシュボーンとなった経緯は単純で、当時のホンダ車の多くはダブルウイッシュボーンを採用しており、オルティアはシビック系のシャシを使っていたことで、パートナーも必然的にダブルウイッシュボーンとなりました。
この優れた足まわりに加え、1.5リッター車の5速MTの車重は1040kgと軽量なのも魅力的です。
その後、2006年にステーションワゴンの「エアウェイブ」をベースとした2代目パートナーが登場すると、サスペンションはフロントがストラット、リアが車軸式に変更されました。
ちなみに、ホンダが1963年に発売した初の4輪自動車で軽トラックの「T360」や、1965年に発売したライトバンの「L700」、ピックアップトラックの「P700」は、どれも直列4気筒DOHCエンジンを搭載するなど、やはり見た目と性能にギャップがあるモデルでした。