「日産58台の衝撃」から1年 2020年内に韓国市場撤退 日産と韓国の関係はどう変化?

2019年8月、韓国における日産車の月間販売台数がわずか58台であることが話題になりました。日本製品不買運動がおもな原因でしたが、その後日産は「ゴーン・ショック」や新型コロナウイルスによる影響など、1年経った現在ではさらに大きく状況が変化しています。韓国における日産の今を追ってみます。

ゴーン・ショック、そして新型コロナウイルス

 いまからおよそ1年前の2019年9月、あるニュースが話題になりました。前月(2019年8月)、韓国における日産の販売台数が、前年同月比87.4%減のわずか58台であることが報じられたのです。
 
 韓国の新車市場は決して大きくないとはいえ、同じ月に高級車ブランドであるメルセデス・ベンツが6740台も販売していることを考えると、その数字の異常さがわかります。
 
 あれから1年、韓国での日産の販売台数はどう変化していったのでしょうか。

2019年3月28日に韓国で発表された日産「アルティマ」
2019年3月28日に韓国で発表された日産「アルティマ」

 これほどまでに日産が韓国市場で販売台数が落ち込んだ要因は、徴用工訴訟問題に端を発する日本製品不買運動といわれています。

 徴用工訴訟問題は、2018年10月に新日本製鐵(現日本製鉄)に対して韓国の最高裁にあたる大法院が、元労働者や遺族に対して損害賠償を命じる判決を出したことで多くの人に知られることになりました。

 この判決内容は、第二次世界大戦時に日本の統治下にあった韓国で「日系企業に勤める多くの韓国人が奴隷のように働かされていた」という原告側の主張を認めたことになります。

 当然、日本政府はこの判決に強く反発をするなど、日韓関係に摩擦が生じることとなった結果、韓国の一部地域で日本製品不買運動が行われるといった事態に発展しました。

 実は、2019年9月には46台と、さらなる落ち込みを見せています。10月以降は回復傾向にあり、10月は139台、11月は287台、12月は324台と推移しますが、日産車の価格帯を考えると、利益の出る販売台数とはとてもいえません。

 日韓関係の悪化による販売台数減少は、日産内部の問題というよりは外的要因といえるでしょう。しかし、日産は同時に内部事情でも世間を賑わせていました。

 2000年代の日産再建の立役者であり、絶対的な権力を誇っていたとされるカルロス・ゴーン会長(当時)の逮捕、そして国外への逃亡劇という衝撃的なニュースがあったのは2018年末ですが、その後日産を率いていた西川廣人社長兼CEO(当時)がまさに韓国で不買運動がおこなわれていた2019年9月16日付けで辞任してしまったのです。

 その後も「お家騒動」は続きます。その後バトンを引き継いだのは、現在の内田誠社長兼CEOでしたが、ルノー出身のアシュワニ・グプタCOOと、生え抜きの関潤副COOと3人で「トロイカ体制」を敷いて経営再建に着手する予定でした。

 しかし、新体制発表から1か月もたたない2019年12月に関COOの辞任が発表され、新体制は脆くも崩れ去ってしまうことになります。

 そして、2020年に入ると、新型コロナウイルスの影響で世界中の経済活動が影響を受けることになり、当然日産も例外ではなく、主要工場で生産調整をおこなうなど、生産台数が大幅に減少しました。

 このように、日産はこの数年大きな変動のなかにいます。韓国市場の販売減少はセンセーショナルではありますが、日産からしてみれば「それどころじゃない」というのが正直なところなのではないでしょうか。

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