リフトアップ&オバフェンの日産「リーフ」登場!? 悪路もイケる災害支援車がカッコイイ!

日産の欧州部門は、災害発生時の復旧支援を目的とした電気自動車のコンセプトカーを発表しました。「RE-LEAF」と名付けられたコンセプトカーには、どのような特徴があるのでしょうか。

電気の力で災害復旧を支援するRE-LEAFとは?

 日産「リーフ」をベースに、災害復旧支援を目的とした電気自動車(EV)のコンセプトカー「RE-LEAF」が欧州で発表されました。

 RE-LEAFとは、どのようなモデルなのでしょうか。

災害復旧で活躍する日産「RE-LEAF」(コンセプトカー)
災害復旧で活躍する日産「RE-LEAF」(コンセプトカー)

 災害対策における緊急対応(emergency REsponse)、人道支援(humanitarian REcovery)、コミュニティの強靭性(REsilience)の3つの「RE」が、RE-LEAF名前の由来です。

 最低地上高を225mmに引き上げ、専用のアンダーガードで車体の床下を保護。17インチのオールテレインタイヤを装着するとともに専用のオーバーフェンダーを装着し、悪路走破性を高めました。

 車体にあしらわれた琥珀色(アンバー)のアクセントは、古代ギリシャ語で「electron(電子)」の意味をもつ「琥珀」にちなんだものです。

 また、ルーフに取り付けられたLEDライトバーを琥珀色に点滅させることにより、車両の接近を歩行者などに知らせます。

 瓦礫や障害物のある悪路走行を可能とするRE-LEAFは、被災地域を自由に移動し、復旧作業に必要な照明や作業ツールや通信や冷暖房などの電源として活用されます。

 フロントフェンダーにふたつの耐候性外部コネクター、トランクには3つのコンセントを装備。搭載する大容量リチウムイオンバッテリーから110Vから230Vの電気機器へ電力を供給。

 RE-LEAFに搭載したリチウムイオンバッテリーは大容量で高い信頼性を誇るだけではなく、複数の電気機器へ安定した電力供給を可能としました。

 さらには、電力系統を安定化させるV2G(Vehicle-to-Grid)技術によって、再生可能エネルギーの有効活用や発電施設の負荷を低減します。

 これらの機能はEVを家庭や社会に電力を供給する移動可能な蓄電池としての活用、また電力需給の安定化への貢献により、将来の分散型エネルギーモデルの構築に寄与することを目的とした「ニッサンエナジー・シェア」という考えに基づいています。

 また、災害復旧支援活動に必要な機器を収納できるよう後部座席を取り外すとともに、前部座席とラゲージスペースをケージにより分離。

ラゲッジスペースには32インチモニターと引き出し式デスクおよび通信機器を装備して、被災地における復旧支援活動をサポートします。

 なお、車両製作は、イギリスを拠点とするエンジニアリングおよびモータースポーツ会社であるRJNがおこない、プロジェクト管理はGTA Global Ltd.が担当しました。

 欧州日産でプロダクトマーケティングを担当するヘレン・ペリー氏は、次のように述べています。

「日産は、EVが単なる移動手段としてだけでなく、人々の生活に豊かさをご提供できる方法を常に模索しています。

 RE-LEAFのようなコンセプトカーは、災害復旧支援におけるEVの可能性、よりスマートでよりクリーンなテクノロジーが救命活動、災害復旧支援などの一助となることを提案しています」

※ ※ ※

 自然災害が発生すると停電することが多く、また、停電してから電力が復旧するまでにおおよそ24時間から48時間かかるといわれており、その間、EVは排出ガスを出さない非常用電源として活用することができます。

 RE-LEAFは、災害発生時におけるEVの可能性を実証するために製作されましたが、EVからの電力供給は実際の被災現場ですでに活用されています。

 日本では2011年から自然災害による停電時の非常用電源、または移動手段としてリーフが使われた実績があります。

 さらに、2018年より「ブルー・スイッチ活動」を開始し、現在、国内の60を超える地方自治体と「災害連携協定」を締結し、災害の復旧支援のためにEVを活用するプログラムを進めており、2019年10月に発生した台風19号の際には長野県のボランティアセンターにおいてリーフが活躍しました。

 とくに62kWhの大容量バッテリーを搭載した「リーフ e+」は、停電時において一般家庭の約4日間分に相当する電力を供給することができなど、災害時のEV活用への期待が高まっています。

【画像】リーフがオフローダーに!? 災害復旧を支援するRE-LEAFとは?(16枚)

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