【試乗】四つ葉の「ステルヴィオ」は究極に運転して楽しいクルマだった!
アルファ ロメオ初となるSUV「ステルヴィオ」には、「ジュリア」のクアドリフォリオモデルと同じV型6気筒エンジンを搭載した「ステルヴィオ 2.9 V6 BI-TURBO クアドリフォリオ」がラインナップしている。このスーパーSUVを、モータージャーナリスト嶋田智之氏がインプレッションする。
ドライビングプレジャーをたっぷりと感じさせてくれるSUV
昨今のSUVはおしなべてよく加速するし、よく曲がる。昔みたいにモッサリぼんやりしてるようなSUVなんて、もはやほとんど存在しないといってもいいだろう。
もちろんクルマ持ち前のキャラクターとしてモッサリぼんやりだったりするなら逆にそれはそれで味わい深かったりもするのだけれど、個人的にはドライバーの意志に沿って動いてくれるクルマが好きな僕としては、もはやSUVをナナメな視線で見る必要がなくなった。喜ばしい傾向だな、と思う。
●まるでスポーツカーを走らせているような感覚
けれど、これはまぁ色々なところで似たようなことをいってたりもするのだけど、「よく走る」というのと「スポーティな走りを楽しめる」というのは、重なっている部分はあるけど同じとはいえない。
スポーティな走りを楽しめるクルマとは、イコール、ドライバーの心を躍らせてくれるクルマ。つまりドライビングプレジャーをたっぷりと感じさせてくれるクルマ、である。そして今のところは残念ながら、そこまで気持ちを掻き立ててくれるSUVというのは、ごくごく少数派だ。
そのなかの1台──というか代表選手のような存在が、アルファ ロメオ「ステルヴィオ」である。スポーツ・セダンとして世界の頂点級に楽しく気持ちいいジュリアの乗り味を、そのまま背の高いSUVに移植したようなモデルだ。
アルファ ロメオのエンジニア達は、ジュリアとほぼ並行するかたちでステルヴィオの開発作業を進め、「ジョルジオ」という同じプラットフォームを使いつつトレッドや重心位置/重心高などを工夫することで、背の高さが宿命づけるネガティブな要素を極力排除しながら、ドライビング・フィールを可能な限りジュリアに近づけた。
ステアリング・ギア比もジュリアとまったく同じ11.7対1という凄まじくクイックな値だし、4WDシステムもありがちなFWDベースではなくRWDベースのものを新たに生み出した。
そして完成したアルファ ロメオ初のSUVは、まるでちょっとしたスポーツカーでも走らせてるかのような感覚をドライバーに与えてくれる、刺激的なクルマとなったのである。初めて走らせたときの衝撃は、忘れることができない。
今回ここに御紹介するのは、そのステルヴィオのもっとも高性能なバージョン、「ステルヴィオ 2.9 V6 BI-TURBO クアドリフォリオ(以下ステルヴィオ・クアドリフォリオ)」だ。通常のステルヴィオは2リッターの直列4気筒ターボもしくは2.2リッターの直列4気筒ディーゼルを積んでいるのだが、こちらは2.9リッターV型6気筒ツイン・ターボ。
御存知の方も少なからずいらっしゃるだろうが、もちろんこれは「ジュリア 2.9 V6 BI-TURBO クアドリフォリオ」に搭載されているのと同じ。フェラーリ「カリフォルニアT」の3.9リッターV型8気筒ツイン・ターボから2気筒分を切り落としたものを基礎にして作り上げられた、と噂されたマラネッロ由来のパワーユニットである。
最高出力は510ps/6500rpm、最大トルクは600Nm/2500rpm。静止状態から100km/hに達するまでが3.8秒、そのままスロットルを踏み込み続ければ283km/hへと到達する。紛うことなきスーパーSUV、と呼べる1台である。
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