アウディ新型「Q3」「Q3スポーツバック」の違いはどこ? 乗って感じた受注好調の理由とは
2020年7月7日に2車種同時に日本上陸した、アウディ新型「Q3」とニューモデル「Q3スポーツバック」。Q3は人気のコンパクトSUVの2代目で、Q3スポーツバックは初登場のクーペSUVだが、アウディディーラーにはすでに多くの受注が入っているという。その2台にはどんな個性があるのか。乗り比べてみた。
クーペSUVのQ3スポーツバックも十分に実用性が高い
本国では新型「Q3」が2018年7月発表、「Q3スポーツバック」が2019年9月発表と、登場に約1年のインターバルがあった2モデルだが、日本には2車種同時に導入されるはこびとなった。
Q3は8年ぶりとなる初のフルモデルチェンジ。新顔のQ3スポーツバックは、アウディ初となるコンパクトクラスのクーペSUVだ。
価格差もそれほど大きくなく、機構面での共通性も高いが、あえて作り分けられた2台の違いがどこにあるのか、気になっている人は少なくないことだろう。
アウディではこの2台のターゲット層を分けて考えている。
Q3は、結婚して小学生以下の子どものいる夫婦で、よくアウトドアやキャンプを楽しむアクティブなファミリー。対するQ3スポーツバックは、もう少し特別な人というか、独身も含め結婚しても子供はまだおらず、ファッションにデザインにこだわり、流行のスポットへクルマを使って出かけることが好きな人、といったニュアンスだという。
ボディサイズは、1840mmの全幅と2680mmのホイールベースが同一。Q3スポーツバックはQ3に対し全長が最大で30mm長く、車高が55mm低い。
ともに8角形のフロントグリルをはじめ最新のアウディのデザイン言語に則ったエクステリアは、前半分は近いが後ろ半分がだいぶ異なり、Q3も十分にスタイリッシュなところ、Q3スポーツバックはさらにスタイリッシュさが際立っている。
実用性の違いも大いに気になるところで、数値でいうと最小の荷室容量は530リッターと同一ながら、最大時にはQ3スポーツバックが1400リッターであるのに対し、Q3は1525リッターまで拡大できる。
車内空間はルーフラインの違いにより、ヘッドクリアランスはQ3のほうが前席は23mm、後席は48mm大きい。日本の成人男性の平均+αの体格である筆者が座って、Q3では頭上にコブシが縦に入るところ、Q3スポーツバックも横に入る。
膝前と横方向の余裕は同等。ただしサイドウインドウ形状の違いにより、後席の開放感はQ3のほうが上回る。
クーペだとスタイル重視で、あまり使い勝手がよくない印象もあるが、Q3スポーツバックはあくまでSUVであり、SUVのスポーツバックであることを念頭に、SUVとしてのユーティリティが十分に確保されていることは念を押しておこう。
運転席からの視界については、やはりQ3スポーツバックのほうがルームミラーに映るリアウインドウの天地が狭く、また斜め後方も制約があるものの、安全な視界は十分に確保されている。また、先進系を含め各種装備は同じと考えてよい。
日本導入時のラインアップは、いずれも出力が110kWから120kWであることを意味する「35」の、1.5TFSI(1.5リッター直列4気筒ガソリンターボ)の2WDと、2.0TDI(2リッター直列4気筒ディーゼルターボ)のクワトロ(4WD)となる。
最高出力は、ガソリンのTFSIが150ps/5000-6000rpm、ディーゼルのTDIが150ps/3500-4000rpmと出力値は同じで発生回転数が異なり、最大トルクはTFSIが250Nm/1500-3500rpm、TDIが340Nm/1750-3000rpmと、TDIがだいぶ上回り、実際の乗り味もそれなりに異なる。
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